菅氏、今度は政権運営を批判 強める「反岸田」色

菅氏、今度は政権運営を批判 強める「反岸田」色 政治・経済

菅氏、今度は政権運営を批判 強める「反岸田」色(JIJI.COM 2023年01月19日07時08分)

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菅氏、今度は政権運営を批判 強める「反岸田」色

自民党の菅義偉前首相は18日、ラジオ日本の番組に出演し、岸田文雄首相を重ねて批判した。首相が国政選挙で公約した経済政策を例に、「約束したことをきちっと丁寧に一つずつ実現していくことが大事ではないか」と指摘。防衛費増額に伴う増税方針を「議論がなさ過ぎた」と切り捨てた。菅氏は派閥に依存した首相の政治姿勢を批判したばかりで、「反岸田」色を一段と強めた形だ。

菅氏は番組で首相の政権運営について問われると、「私の立場で発言するのは控えたい」と言いながら、「やはり選挙が2回終わっている」として、物価高対策などを掲げた昨年の参院選公約などの実現に最優先に取り組むべきだと主張した。

その上で防衛増税に関し、「突然だった。例えば行革でいくらとかいろんなことを示した上で、できない部分は増税させてくださいとかそういう議論がなさ過ぎた」と語った。

少子化対策の財源として自民党幹部が言及した消費税率の引き上げに関しても「これだけの物価高で、何をやるかメニューが出ていない中で、消費税の議論というのはあり得ない」と訴えた。

菅氏は10日に外遊先のベトナムで、「歴代の首相は派閥から出て首相を務めたのではないか」と脱派閥を首相に迫った。今回は首相の政権運営そのものをやり玉に挙げたもので、非主流派の菅氏の動向に対する党内の関心がさらに高まる可能性がある。

菅氏に近いベテラン議員は18日の発言について「政権に一石を投じた意味は大きい」と語った。自民党関係者は「増税の話はタイミングが悪い。軽く考えると大変なことになるぞと、首相に最大限の警報を出している」との見方を示した。

一方、主流派の安倍派中堅議員は「これだけ政権の課題が山積する中で、後ろから鉄砲を撃つタイミングなのか」と疑問を呈した。

伊藤惇夫氏 菅前首相、岸田首相に“苦言”連発に「やり方に対して“目に余るな”という思いが重なって」

伊藤惇夫氏 菅前首相、岸田首相に“苦言”連発に「やり方に対して“目に余るな”という思いが重なって」(スポニチ 2023年1月18日 14:22)

政治アナリストの伊藤惇夫氏が18日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。自民党の菅義偉前首相が立て続けに岸田文雄首相への“苦言”を述べていることに言及した。

菅氏は、10日発売の月刊誌「文芸春秋」のインタビューで、小泉純一郎元首相や安倍晋三元首相は在任中に派閥を離脱したとして「派閥政治を引きずっているというメッセージになって、国民の見る目は厳しくなる」と、岸田派の会長を続ける岸田文雄首相に苦言を呈した。弊害として、党総裁選の際に「国民の負託を受けて当選してきた政治家が、理念や政策よりも派閥の意向を優先してしまう」と説明した。

同日に訪問先のベトナムでは、派閥政治の弊害とともに、少子化対策について「極めて重要だ」とする一方で、財源として消費税の増税をすることについて「私は考えていない」と述べた。

また、18日のラジオ日本番組で、少子化対策の財源に充てるための消費税増税に関し、対策の中身が固まっておらず、物価高が続く現状では、国民の理解を得られないとの認識を示し、防衛費増額に伴う増税についても「突然で、議論がなさ過ぎた」と語った。

伊藤氏は「このタイミングでってことを考えたのかどうかは分かりませんけれども、このところの一連の岸田さんのある意味、独断専行的な、党との間の意思疎通を欠いたような形での決断みたいなものが重なってますから、それに対してクギを刺したという部分もあるでしょう」と推察。

「菅さんが総理を辞めた後ぐらいにお話をする機会があったんですけど、“これからどうするんですか?”って聞いたら“政策だ”ということを非常に強調されたんですね。ですから政策面で注文をつけていくっていうのは、総理をやめた後からずっと考えておられたことだろうし、それがここに来て、いわば岸田さんのやり方に対して“目に余るな”という思いが重なって結果ではないかなと思いますね」と自身の見解を述べた。