尾身氏「第9波始まった可能性」 コロナ巡り首相と意見交換
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長を務めた尾身茂氏は26日、岸田文雄首相と官邸で面会し、夏の感染拡大に向けた備えや国内の感染状況について意見を交わした。終了後、尾身氏は「第9波が始まった可能性がある。日本は高齢化が進んでおり、高齢者をどう守るかが大切だ」と記者団に語った。
冒頭で首相は「発生動向は緩やかな増加傾向。5類移行後の状況をどのようにみているか、夏に向けて感染防止のためにどう気を付けるべきか。意見を聞きたい」と述べた。
全国約5千の定点医療機関から12~18日に報告された1医療機関当たりの新型コロナ感染者の平均は5.60人。前週比はおよそ1.10倍だった。ただ沖縄は1機関当たり28.74人と突出して多く、さらに増える可能性が指摘されている。
処理水放出、工事ほぼ完了 福島第1原発、設備を公開…東電
東京電力は26日、福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)で保管している放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋に放出する設備を報道陣に公開した。設備設置に関する一連の工事は同日にほぼ完了。動作確認のため真水と海水を使って行っていた試運転は27日に終了する見通しで、原子力規制庁は28日から設備の使用前検査を行う方針を示している。
政府は「今年夏ごろ」の放出開始を目指し、今月末をめどに公表される国際原子力機関(IAEA)の最終報告書を踏まえ、放出のタイミングを最終判断する方針。一方、漁業関係者らの反発は依然根強く、どのように理解を広げるかが焦点となっている。
奄美地方で梅雨明け 平年より3日早く 気象庁発表
気象庁は26日、鹿児島県の奄美地方が梅雨明けしたとみられると発表した。平年より3日早く、2022年より4日遅い。
奄美地方は5月18日に梅雨入りした。梅雨前線の影響で今月19、20日には線状降水帯が相次いで発生。奄美大島南部の瀬戸内町では16~22日の累計雨量が566ミリに達し、6月の平年降水量の1.4倍に上るなど記録的な大雨となった。隣接する宇検村では土砂崩れが発生し、住民約360人が一時孤立した。気象庁によると、今後1週間は、おおむね晴れる日が続く見通し。
プリゴジン氏の居場所分からず ベラルーシには短期滞在か
ロシアで反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏を巡り、南部ロストフナドヌーで最後に姿が確認された24日夜(日本時間25日朝)以降、居場所が分かっていない。プーチン政権は同氏のベラルーシへの出国を認めたことを明らかにしているが、時期や方法、現地での処遇などは不明だ。
プリゴジン氏は24日夜、ルカシェンコ氏との協議を受け、モスクワ進軍停止を発表。ワグネルが一時占拠したロストフナドヌーの南部軍管区司令部を車で離れる様子が報じられたが、それ以降の動静は伝えられていない。同氏自身は、ベラルーシへの出国などプーチン政権との合意事項について言及していない。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、欧州の情報機関当局者らは「もしプリゴジン氏がベラルーシに行くとしても、クレムリン(ロシア大統領府)からの報復の可能性を恐れて長くは滞在しない」と推測しているという。
【1年前の今日の出来事】 2022年6月26日