岸田首相「歴代内閣の歴史認識を踏襲」 韓国政府“徴用工”解決策を発表
いわゆる元徴用工問題をめぐり韓国政府が解決策を発表したことを受け、岸田首相が6日午後 記者団の取材に応じ、解決策を関係修復のためのものとして評価するとともに、歴代内閣の歴史認識を踏襲することを表明した。
岸田首相は、「今回の韓国政府の措置は、日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価している」「1998年10月に発表された日韓共同宣言を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる、これが政府の立場である」と述べた。
さらに岸田首相は、「今後も尹大統領との間で緊密に意思疎通を図っていきたい」と述べ、首脳会談に前向きな姿勢を示しつつ、「具体的な外交日程は、まだ何も決まっていない」とした。
一方、1965年の日韓請求権協定で「最終的に解決」と明記したにも関わらず、2018年の判決で賠償権が認められたことを踏まえ、「再び覆される懸念はないのか」と記者団に問われ、岸田首相は「仮定に基づいた質問には答えない」とした上で、「日韓関係が前に進んでいくことを期待する。そのために意思疎通を続けていくことに尽きる」と述べた。
韓国政府が6日に発表した解決策は、日本企業に代わって韓国政府傘下の財団が賠償を肩代わりする内容が柱になっている。
日韓、輸出規制見直しへ協議 半導体素材、WTO手続き中断
日韓両政府は6日、日本の韓国に対する半導体素材の輸出規制見直しに向け、当局者間の協議を近く再開すると発表した。韓国は、協議が行われている間、日本の対韓輸出を巡り世界貿易機関(WTO)に提訴した紛争解決手続きを中断すると公表。手続き停止を求めている日本は、協議再開の環境が整ったと判断した。
経済産業省は「(日韓)双方が2019年7月以前の状態に戻すべく、関連の2国間の協議を速やかに行っていく」とのコメントを発表した。
日本政府は19年7月、軍事転用といった安全保障上の懸念が拭えないとして、半導体製造に欠かせないフッ化水素など計3品目の韓国への輸出管理を強化した。また、輸出手続きを簡素化する「ホワイト国」の対象からも韓国を除外。韓国側は一連の日本の対応は、元徴用工問題への報復措置だとして強く反発し、撤回を迫っていた。
韓国は19年9月、半導体素材の輸出規制を強化した日本をWTOに提訴。その後、日韓は対話による解決を模索したが、韓国はWTOの手続きを再開するなど強硬姿勢に転じた。当局者間の協議は20年3月を最後に開かれていない。
トルコ地震発生から1か月…死者5万2000人超、がれき撤去進み「さらに増えるかも」
トルコとシリアに甚大な被害をもたらした地震は、6日で発生から1か月となった。両国の死者は5万2000人を超えた。トルコの被災地では復興に向け、がれきの撤去が進んでいる。
トルコ政府によると、トルコの死者は4万5960人に上る。在英のシリア人権監視団によると、内戦下のシリアの死者は6795人。行方不明者数は明らかになっていない。
今回の地震のがれきはトルコ国内だけで1億~2億トンに上るとみられる。早期復興のため、がれき処理は急務の課題だ。多数の建物が倒壊した南部カフラマンマラシュなどでは連日、重機でがれきをトラックに積み込む作業音が響いている。
がれきの撤去作業中に遺体が発見されることもあり、トルコの災害緊急事態対策庁職員は「がれきの撤去が進めば、さらに死者は増えるかもしれない」と話した。
「ニコ動」記者、官房長官会見で「チャットGPT」使い質問
松野博一官房長官の6日の記者会見で、インターネット動画中継サイト「ニコニコ動画」の記者が、人工知能(AI)による対話型の自動応答ソフト「チャットGPT」を使って作成した文章を用いて、松野氏に質問する場面があった。
同記者は「官房長官へ質問をするという前提で、『チャットGPT』との対話でできた質問をする」と前置きした上で、「チャットGPTが世界的な発展をもたらし、米国や中国などで生成系AI搭載の対話型検索の開発が急ピッチで進んでいます。政府はこうした取り組みや動向をどう見ていますか。また、日本では、企業等が独自に開発を進めるといった話は今のところあまり聞きませんが、経済成長や生産性の向上、国民へのサービスの向上をもたらす可能性が高いこうした開発への支援等について、いかがお考えでしょうか」と質問した。
これに対して松野氏は「官民における研究開発の推進や人材育成、データの利活用促進のほか、信頼性を確保していくことが重要だ。政府を挙げて総合的に取り組みを進めていく」と答えた。
妖怪、4年ぶりのパレード 水木しげるさん生誕101年記念 鳥取
漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で、鳥取県境港市出身の故水木しげるさん(1922~2015年)が8日に101回目の誕生日を迎えるのを前に、記念行事が5日、同市本町の水木しげる記念館などで開かれた。妖怪ファンがさまざまなキャラクターにふんして練り歩く「妖怪パレード」が4年ぶりに復活。妻の武良布枝さん(91)=東京都調布市=ら水木さんの家族も招かれ、妖怪のイラストをあしらったケーキにナイフを入れて生誕101年を祝った。
妖怪パレードは記念館前の水木しげるロードであり、地元の吹奏楽団「さかいみなとウィンドアンサンブル」が「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌などを演奏して先導。着ぐるみや手作りの衣装を身に着けた約300人が参加した。境港市の伊達憲太郎市長は「ねずみ男」に、平井伸治知事も「鬼太郎」にふんして盛り上げた。
記念館前庭であったセレモニーでは、伊達市長が「境港の大恩人である水木先生の誕生日は市にとっても記念すべき日」とあいさつ。記念館が8日で設立20周年を迎え、建て替えのために9日から1年間、休館することを紹介し、「水木先生の歩んだ100年を顕彰し、次の100年に思いをつなげる施設にしたい」と述べた。
コロナ新規感染、1年2カ月ぶり5000人下回る 4263人確認
厚生労働省は6日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で4263人確認されたと発表した。前週の月曜日より約1100人減った。新規感染者が5000人を下回るのは2022年1月以来、1年2カ月ぶり。死者は34人だった。
主な都道府県の新規感染者数は、北海道153人▽東京都335人▽愛知県147人▽大阪府202人▽福岡県129人――など。
<新型コロナ・6日>東京都で新たに335人が感染
東京都は6日、新型コロナウイルスの新たな感染者335人と死者1人(70代男性)を確認したと発表した。1週間平均の新規感染者数は、6日時点で818.9 人で、前の週に比べて88.1%。
【1年前の今日の出来事】 2022年3月6日