2023年2月7日 今日の出来事

北方領土「不法占拠」非難 大会声明、18年以来の復活

「北方領土の日」の7日、政府や関係団体は「北方領土返還要求全国大会」を都内で開いた。採択した大会アピールでは、北方四島について「77年前、ソ連によって不法占拠されたまま今日に至っていることは決して許されるものではない」と非難した。アピールに「不法占拠」の文言が復活したのは2018年大会以来。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの対抗姿勢を強めた形だ。

大会に出席した岸田文雄首相は、北方領土の元島民らに墓参のためのビザなし渡航を認める「北方墓参」など四島交流事業の再開が「今後の日ロ関係の中で最優先事項の一つだ」と強調。領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持すると述べた。

令和5年北方領土返還要求全国大会に出席し、挨拶する岸田文雄首相=7日午後、東京都千代田区

トルコとシリア、地震死者5千人超える 厳寒が追い打ち

トルコ南部ガジアンテプ県で6日に発生した大地震で、トルコや隣国シリアの当局などによると、両国での死者は7日までに計5千人超となった。負傷者も2万人を超える。寒さは厳しく雪の降る被災地域もあり、家を失った被災者や救助をめぐる厳しい環境が続いている。

内戦が続くシリアでも多くの建物が倒壊した。シリアにはアサド政権と対立する反体制派勢力の支配地域があり、被害はアサド政権側、反体制派側の双方に及んでいる。

トルコは日本と同様に地震国として知られ、39年の東部地震では3万人以上が死亡。99年の地震では北西部コジャエリ県などで約1万7000人が犠牲になった。最近では2020年10月に西部イズミル県の地震で100人以上が死亡した。

6日、トルコ南東部カフラマンマラシュの地震で倒壊した建物

トルコ地震 米国「あらゆる支援用意」 45カ国以上が支援申し出

米ホワイトハウスによると、バイデン大統領は6日にエルドアン氏と電話協議。犠牲者らに哀悼の意を示し、「必要なあらゆる支援を用意している」と伝達したという。国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官によると、米政府は現地に救助活動のチームを派遣する手続きを進めている。国際開発局(USAID)や国防総省がトルコ側と追加支援についても協議しているという。

英政府はトルコの要請を受け、捜索・救助隊や医療チームの派遣を決定。隊員はがれきの中から人を捜し出す探知機やコンクリート切断装置などを装備しており、現地時間の6日夜に到着する予定という。

また、ロシアのプーチン大統領は6日、トルコのエルドアン、シリアのアサド両大統領と相次いで電話協議し、ロシアの救援チームを両国に派遣する意向を伝えた。プーチン政権は内戦が続くシリアに2015年から軍事介入し、アサド政権を全面支援している。露メディアによると、ロシアは両国での救援活動に向け、軍の輸送機イリューシン76を飛行させる準備を整えているという。

日本政府、救助チーム派遣 トルコ地震

松野博一官房長官は7日の記者会見で、トルコ南部を震源とする大地震を受け、国際緊急援助隊・救助チームを6日夜、現地に向け派遣したと明らかにした。松野氏は、現時点で日本人の被害情報はないとした上で、「在留邦人の安全確保に万全を期すとともに、被害を受けた地域に必要な支援を検討していく」と強調した。

成田空港到着の2容疑者、渋谷署に

全国で相次ぐ広域強盗事件で指示役だった「ルフィ」と名乗る人物の可能性がある日本人男性4人のうち、フィリピンから日本に強制送還された今村磨人(38)、藤田聖也(38)両容疑者を乗せた飛行機が7日午後2時40分ごろ、成田空港に到着した。

2人は2019年にフィリピンの首都マニラを拠点とした日本人の特殊詐欺グループが摘発された事件に関与した疑いで逮捕状が出ており、警視庁捜査2課は7日午後0時20分ごろ、移送中の航空機内で2人を窃盗容疑で逮捕した。この後、それぞれ乗せた警察車両が7日午後5時ごろ、警視庁渋谷署に入った。

警視庁は今後、特殊詐欺事件について本格的に調べを始めた後、強盗事件への関与についても追及する。

渡辺優樹・小島智信容疑者の公訴棄却、8日にもフィリピンから強制送還か

関東など各地で相次いだ強盗事件を巡り、フィリピンの入管施設で拘束されていた男4人のうち、女性に対する暴行の罪で現地で刑事裁判が続いていた渡辺優樹(38)、小島智信(45)両容疑者について、裁判官が公訴を棄却する判断を示したことが弁護人への取材でわかった。身柄引き渡しの障壁がなくなり、8日にも同様に強制送還される可能性が高まった。

4人が関与したとされる特殊詐欺事件では渡辺容疑者が最上位の「ボス」とされており、警視庁が今後、指示系統などを調べる。

三菱重工、国産ジェットから撤退発表 凍結2年、事業化めど立たず

三菱重工業は7日、国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)の開発を中止すると発表した。設計変更などトラブルが相次いだことや新型コロナウイルス禍を受け、2020年10月に開発を事実上凍結していたが、事業化のめどが立たないことから撤退に踏み切る。開発を担う子会社の三菱航空機は清算する方針。「日の丸ジェット」を軸に航空産業を育成する官民の構想は頓挫した。

三菱重工は開発中止の理由について、小型ジェット機の市場規模が見通しにくいことや、脱炭素化に向けた電動化への対応が必要な点などを挙げた。開発が長期化したことで、技術面の競争力が低下したことも影響したという。

松野博一官房長官は7日の記者会見で、三菱重工業が小型ジェット旅客機スペースジェットの開発からの撤退を発表したことについて、「これまでの取り組みを通じて人材育成も含め、我が国の航空機開発の技術能力の向上に寄与したものと考えている」と述べた。

三菱重工、国産ジェットから撤退発表

チャットGPTに対抗 グーグル、会話型AIを「数週間以内に」公開

米グーグルは6日、会話型のAIサービス「Bard(バード)」を開発し、数週間以内に一般公開すると発表した。AIを使って質問に答える自動応答ソフトは、マイクロソフトが投資する米新興企業オープンAIの「チャットGPT」が話題となっており、対抗する。利用が進めば、インターネットの使い方が変わる可能性がある。

バードは6日から限られた利用者に公開してテストを開始。フィードバックを得て、応答の安全性や信頼性を確認する。グーグルの検索エンジンにも簡単な質問に答えるAI機能を追加する予定だ。開発してきた言語AI「LaMDA」を使い、ウェブの情報を基にして「鮮度のある質の高い回答を提供する」としている。

ギョーザ年間支出額、宮崎市が2年連続日本一

総務省が7日発表した2022年の家計調査で、宮崎市の餃子(ギョーザ)の1世帯(2人以上)当たり年間支出額が4053円で2年連続の日本一となった。都道府県庁所在地と政令指定都市ランキングでは宇都宮市(3763円)が2位、浜松市(3434円)が3位。宮崎の連覇で「餃子の街」3強の構図が固まった。

家計調査はスーパーの総菜など持ち帰りの焼きギョーザや生ギョーザへの支出を対象に集計しており、外食、冷凍食品は含まない。宮崎は22年上半期の集計で宇都宮に次ぐ2位だったが、飲食店などで組織する宮崎市ぎょうざ協議会が中心となって巻き返した。イベント開催や大手食品メーカーとの連携を強化し、通年で逆転した。

1世帯(2人以上)当たり餃子年間支出額

全国のコロナ新規感染者4万1438人 前週から1.6万人減

厚生労働省は7日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で4万1438人確認されたと発表した。前週の火曜日より約1万6000人減った。死者は161人だった。

主な都道府県の新規感染者数は、北海道1464人▽東京都3131人▽愛知県3150人▽大阪府3051人▽福岡県1841人――など。

<新型コロナ・7日>東京都で新たに3131人が感染 11人死亡

東京都は7日、東京都で新型コロナウイルスの新たな感染者3131人と死者11人を確認したと発表した。1週間平均の新規感染者数は、7日時点で2852.9人で、前の週に比べて66.8%。

<新型コロナ・7日>東京都で新たに3131人が感染

【1年前の今日の出来事】 2022年2月7日