護憲派・改憲派それぞれ集会 憲法9条・緊急事態条項を焦点に議論
日本国憲法施行(1947年)から75年を迎えた「憲法記念日」の3日、護憲派と改憲派の団体が各地で集会を開き、それぞれの主張を訴えた。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、2019年以来3年ぶりに人を集めて開かれた集会も。参加者らはロシアによるウクライナ侵攻などを念頭に、現行憲法の意義を問い直したり、あるべき憲法の姿について語ったりした。
「軍事力拡大では命守れない」
ロシアのウクライナ侵攻を受け、国内では憲法を改正して軍事力を増大すべきだとの言説が聞かれるようになっており、こうした状況を憂える発言が相次いだ。改憲問題対策法律家6団体連絡会の大江京子弁護士は「(軍事力の拡大では)国民の命を守ることはできない。果てしない軍拡の応酬と相互不信を広げるだけだ」と主張した。
「(憲法に基づく)専守防衛はざれ言だ」
「国民の会」共同代表の桜井よしこさんは「(日本国民は)平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という憲法の前文のくだりを念頭に「他国の信頼や善意を信頼して日本国政府は何もしなくていいと書かれた前文の精神を引き破るのが私たちの責任」と訴えた。また、改憲を党是とする自民党に対し「日本男児なら頑張れ」と呼びかける場面もあった。
報道自由度、日本は4つ下げ71位に 国境なき記者団
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)は3日、2022年の世界各国の報道自由度ランキングを発表した。対象180カ国・地域のうち、日本は昨年から4つ順位を下げて71位。ノルウェーが6年連続で首位だった。ウクライナ侵攻に絡み、報道規制を強化したロシアは155位へ5つ下落した。
中国の統制強化が進む香港は148位(21年は80位)となり、下落幅は今年のランキングで最大だった。中国は2つ順位を上げ175位。
日本についてRSFは、大企業の影響力が強まり、記者や編集部が都合の悪い情報を報じない「自己検閲」をするようになっている国の例として韓国やオーストラリアとともに言及した。
マリウポリの製鉄所にまだ民間人200人超 攻撃再開で避難難航
ロシア軍が包囲を続けるウクライナ南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所からの退避が難航している。米メディアなどは、一部の市民が避難した後、ロシア軍が攻撃を再開したと報じている。マリウポリ市のボイチェンコ市長は3日、製鉄所には依然として200人以上の民間人がとどまっていると明らかにした。
ウクライナ軍は2日、製鉄所から避難した100人以上がウクライナ政府の統治下にある南部ザポロジエに到着したと明らかにした。米NBCが報じた。ボイチェンコ氏は3日のテレビ番組で、市内の露軍支配地域に約10万人の市民がいると説明。「避難は続いており、無事に(目的地に)たどり着くことを願っている」と語った。AP通信によると、自力で脱出する市民もいるという。
3年ぶりの博多どんたく 「博多松囃子」先頭に盛り上げ
福岡市で3日に開幕した「博多どんたく港まつり」。新型コロナウイルス禍で2年連続の中止を経て、3年ぶりに街全体がお祭りムードに包まれた。沿道の見物客は拍手や手拍子で祭りを盛り上げた。
パレードは伝統行事「博多松囃子(まつばやし)」の一行を先頭にスタート。晴天に恵まれ、恒例の「花自動車」や色鮮やかな衣装をまとったどんたく隊が街を練り歩いた。「久留米市城島大獅子どんたく隊」による迫力満点の大獅子も登場し、見物客らを楽しませた。
博多松囃子
平安時代に京都で始まった正月行事が博多へ伝わったとされ、どんたくのルーツといわれる。「戦がなく商売に専念できるように」と平和を祈願して領主の家へ年賀のあいさつに回ったのが原点というが、戦後は福岡大空襲(1945年)からの復興を目指し、街を励まそうと市中を巡るようになった。2020年3月、国の重要無形民俗文化財に指定された。
新緑の中、人馬疾走 京都・下鴨神社、3年ぶりに流鏑馬神事
京都三大祭りの一つ、葵祭の安全を祈願する「流鏑馬(やぶさめ)神事」が3日、京都市左京区の下鴨神社であった。新緑が美しい境内の「糺(ただす)の森」で、公家や武家の装束に身を包んだ射手が疾走する馬の上から矢を放ち、的の杉板(約50センチ四方)に命中すると大きな拍手が起こった。
平安装束で市中を歩く葵祭の「路頭(ろとう)の儀」は新型コロナウイルス禍で3年連続の中止が決まったが、流鏑馬神事は3年ぶりに執り行われた。例年は有料拝観席を約1400席用意しているが、今年は約800席に減らした。
全国で新たに3万481人が感染 前週より1万人減 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染者は3日、全国で新たに3万481人確認された。1日あたりの新規感染者数は前週の火曜日から約1万人減った。重症者は前日から4人減って160人となった。死者は55人だった。
東京で新たに3357人が感染 前週より1691人減 新型コロナ
東京都は3日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに3357人確認されたと発表した。前週の火曜日(5048人)を1691人下回った。新たに4人の死亡が確認された。
NY円、130円前半 日米の金利差拡大、3年5カ月ぶり高水準
週明け2日のニューヨーク外国為替市場の円相場は午後5時現在、前週末比32銭円安ドル高の1ドル=130円12~22銭を付けた。ユーロは1ユーロ=1・0503~13ドル、136円72~82銭。
米長期金利の指標となる10年債利回りが一時3.01%台まで上昇し、約3年5カ月ぶりの高水準をつけた。日米の金利差拡大を意識した円売りドル買いが優勢となった。
オーストラリア、11年半ぶりに利上げ インフレ抑制策で前倒し
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は3日の理事会で、過去最低となっていた政策金利0・1%を0・25%引き上げ、0・35%にすることを決めた。利上げは2010年11月以来11年半ぶり。新型コロナウイルス流行後、金利を2024年まで引き上げないとしてきたが、インフレが深刻となり、大幅な前倒しを余儀なくされた。
先月発表された22年1~3月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比5.1%増となり、市場予想を上回った。オーストラリアでは今月21日に総選挙が行われる。選挙戦で不動産を中心とした物価高騰対策が争点となる中での利上げとなった。
【1年前の今日の出来事】 2021年5月3日