2022年2月19日

【ウクライナ情勢】

バイデン氏、プーチン氏が「ウクライナ侵攻を決断したと確信」…「首都キエフが標的に」
米国のバイデン大統領は18日の記者会見で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、「現時点でプーチン露大統領が決断したと確信している」と語った。一方で、「侵攻が起きるまでは、外交的解決の可能性は常にある」と訴え、プーチン氏に自制を求めた。

バイデン氏は、「ロシア軍がこの1週間から数日間にウクライナを攻撃すると信じる理由がある。(首都)キエフが標的になるとみている」と述べた。露軍がウクライナ周辺の部隊を増強し続けていることや、ウクライナ東部で砲撃が多発していることから、緊急性が高まっていると判断したようだ。

露軍の現状についてバイデン氏は、「ベラルーシからも含め、露軍はウクライナ国境沿いを包囲している」と強調した。これに関連して、米国のマイケル・カーペンター全欧安保協力機構(OSCE)大使は18日、ウクライナ東部の親露派武装集団を含め、ウクライナ内外に展開する露軍の勢力が最大約19万人に膨らんだと明らかにした。

プーチン氏が露軍ミサイル発射演習指揮…ウクライナ南部の部隊参加、米欧けん制か
ロシアのプーチン大統領は19日、露軍の核戦力部隊などによる大規模なミサイル発射演習を指揮した。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に懸念を強める米欧が、ウクライナや東欧諸国の防衛強化を進める動きをけん制する狙いとみられる。

演習には、ロシアが併合したウクライナ南部クリミアを事実上管轄する南部軍管区部隊、クリミアに拠点を置く黒海艦隊が参加。核戦力を含む「戦略的抑止力」の訓練が目的だとしており、弾道ミサイルや巡航ミサイルの発射演習を行う計画だ。

プーチン氏はモスクワの露大統領府内で指揮を執り、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領も同席した。ベラルーシでは露軍との合同軍事演習が続いており、ルカシェンコ氏はウクライナへ圧力を強めるプーチン氏と共闘している。また、ベラルーシでロシアの核兵器の配備を可能にする憲法改正なども進めている。

ウクライナ東部停戦違反急増 OSCE
欧州安保協力機構(OSCE)のウクライナ特別監視団(SMM)は19日、声明を出し「ウクライナ東部で停戦違反が急増している」と警告した。停戦合意は2020年7月に強化されたが、それ以前の水準に迫っている。

東部ドネツク州では17日、222件の停戦違反があり、うち135件は爆発を伴った。違反は、16日が189件、15日が24件だった。一方、その北に隣接するルガンスク州では648件の違反があり、うち爆発を伴ったのは519件。16日は402件、15日は129件だった。 

ウクライナ東部の親ロ派が住民の避難計画を発表、市内にはサイレン鳴り響く
ロシアの支援を受けるウクライナ東部の分離主義勢力は18日、支配地域である「ドネツク人民共和国」から大勢の市民を避難させる計画を発表した。この発表の1時間ほど前には、ドネツク市の中心部でサイレンが鳴り響いた。

過去2日間、ドンバスの支配地域の境界線付近で砲撃が相次ぎ、住民を避難させる動きが出ている。ドネツクとその周辺の親ロ派支配地域の住民を乗せたバスが18日夜、ロシアに向けて出発した。ウクライナ政府は、「ドネツク人民共和国」の幹部らが分離主義勢力ではなくロシアの代理人だと主張している。一方ロシア政府はこれを否定している。

【新型コロナ関連】

全国の感染者、8日ぶりに前週の同じ曜日上回る 8万1719人確認
新型コロナウイルスの感染者は19日、全国で新たに8万1719人確認された。前週の土曜日から約1万3000人増え、8日ぶりに前週の同じ曜日を上回った。死者は219人で5日連続で200人を超えた。重症者は前日より2人少ない1480人だった。

東京で新たに1万3516人の感染確認 死者27人、重症者は7人増
東京都は19日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに1万3516人確認されたと発表した。前週の土曜日(1万1765人)から1751人増えた。70~90代の男女27人の死亡が確認され、死者数は5日連続で過去最多を更新した。

オミクロン株に「感染が止まらない」 介護・医療現場でクラスター急増
新型コロナウイルスの感染拡大傾向が落ち着きつつある中、大阪府内では高齢者など健康リスクを抱える人々の生活と命を守る介護施設や医療機関で、クラスター(感染者集団)が急増している。その数は昨夏の感染「第5波」の3倍に迫る勢いで、今後、重症者の増加が懸念される。府内の二つの事例からは、これまでの経験では対処しきれない第6波の恐ろしさが浮かぶ。

内閣支持率45% 発足以降最低、支持・不支持並ぶ 毎日新聞世論調査

毎日新聞と社会調査研究センターは19日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は45%で、1月22日の前回調査(52%)から7ポイント下落し、2021年10月の政権発足以降最低となった。不支持率は46%で前回(36%)から10ポイント増加し、支持率と不支持率がほぼ並んだ。

低気圧急発達、猛吹雪警戒 北海道と東北 気象庁
気象庁は19日、北海道や東北地方の日本海側では20日夜から21日にかけて猛吹雪や暴風、高波、大雪に警戒するよう呼び掛けた。北陸では21~22日ごろに大雪に警戒が必要。前線を伴う低気圧が急速に発達しながら三陸沖から千島近海へ進み、強い冬型の気圧配置になる見込み。

20日の最大瞬間風速は北海道と東北で35メートル、21日は北海道35~45メートル、東北25~35メートルと予想される。21日の波の高さは北海道と東北、北陸で6メートル。21日午後6時までの24時間予想降雪量は多い所で、北陸60~80センチ、北海道40~60センチ。 

アメリカザリガニようやく規制へ 「取っても取っても」深刻被害
環境省は北米原産の侵略的外来種アメリカザリガニの販売や野外への放出などを規制する方針をようやく決め、今国会に外来生物法改正案を提出する予定だ。だが、アメリカザリガニが侵入した湿地では在来種が激減するなど既に深刻な被害が出ている。専門家は「一度侵入してしまうと、取っても取っても減らない危機的な状況になる」と危機感をあらわにする。

【1年前の今日の出来事】 2021年2月19日