2021年10月5日

ノーベル物理学賞に真鍋淑郎氏 「気候モデル」手法確立
スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2021年のノーベル物理学賞を真鍋淑郎・米プリンストン大上席研究員、クラウス・ハッスルマン氏、ジョルジョ・パリージ氏の3氏に授与すると発表した。授賞理由は「複雑な物理システムの理解への画期的な貢献」。真鍋氏は、コンピューターで地球の気候を再現する「気候モデル」の手法を確立した。

授賞式は12月10日にストックホルムで開かれるが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、20年に続いて受賞者は出席せず、居住国で表彰を受ける。賞金1000万スウェーデンクローナ(約1億2700万円)が贈られる。

日本の研究環境悪化「頭脳流出」懸念 ノーベル賞に米国籍の真鍋氏
ノーベル物理学賞受賞が決まった米プリンストン大上席気象研究員の真鍋淑郎氏(90)=米国籍=は1958年に米国に渡り、米海洋大気局などで取り組んだ研究成果が評価された。これまでも日本出身で海外で成果を出し、ノーベル賞を受賞する研究者はいたが、近年日本の研究環境の悪化から、さらなる「頭脳流出」の懸念が高まっている。

第二次世界大戦後、資金も研究職のポストも乏しかった時代に、よりよい研究環境を求めて海外に向かう研究者は少なくなかった。2008年に物理学賞を受賞した故・南部陽一郎氏は52年に米プリンストン高等研究所に留学。58年にシカゴ大教授に就任し、70年に米国籍を取得した。

岸田内閣の支持率49% 甘利氏起用「評価せず」54% 毎日新聞世論調査
毎日新聞と社会調査研究センターは4、5日、岸田文雄内閣の発足を受け緊急の全国世論調査を実施した。内閣支持率は49%と5割に届かず、昨年9月の菅義偉内閣発足時の64%を大きく下回った。不支持率は40%だった。閣僚の顔ぶれに「期待感が持てる」との回答は21%にとどまり、「持てない」が51%に上った。

発足直後の支持率は新首相への期待から高めに出る傾向がある。岸田内閣最初の支持率は、菅内閣最後となった前回調査(9月18日)の37%より上がったものの、歴代内閣の発足時と比べ低調な船出と言えそうだ。調査方法が異なるため単純に数値の比較はできないが、過去20年間では麻生太郎内閣発足時(2008年9月)の45%に次ぐ低さとなった。

自民党幹事長に麻生派の甘利明氏を起用した人事に対しては「評価しない」との回答が54%に上り、「評価する」は22%にとどまった。安倍、麻生両氏の影響力が強まったと言われていることについては、岸田首相の政権運営に「マイナスになる」と思う人が59%で、「プラスになる」の23%を大きく上回った。

岸田内閣低調な船出、支持率45%、不支持率20% 朝日世論調査
岸田文雄内閣の発足を受け、朝日新聞社は4、5日、全国世論調査(電話)を実施した。内閣支持率は45%で、不支持率は20%だった。発足直後の支持率としては、現在の方法で調査を始めた2001年の小泉内閣以降で、麻生内閣の48%を下回り、最低となった。

参院2補選、7日告示 岸田政権初の国政選挙 衆院選前哨戦
参院静岡選挙区と山口選挙区の両補選が7日に告示され、24日に投開票される。岸田政権にとって初の国政選挙で、与野党ともに19日公示、31日投開票で予定される衆院選の前哨戦となる。

静岡選挙区補選は、知事選に出馬した岩井茂樹元副国土交通相の辞職に伴い行われ、自民党新人で前御殿場市長の若林洋平氏(49)、共産党新人で党県常任委員の鈴木千佳氏(50)、無所属新人で元県議の山崎真之輔氏(40)が立候補する見通しだ。公明党は若林氏を推薦、立憲民主、国民民主両党は山崎氏を推薦している。

山口選挙区補選は、衆院選に出馬する林芳正元文部科学相の辞職に伴い実施され、自民党現職(参議院比例)、元経済産業政務官の北村経夫氏(66)、共産党新人、元県議の河合喜代氏(61)、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の新人、元ユーチューバー、へずまりゅう氏(30)が立候補を予定している。公明党は北村氏を推薦している。

両補選が選挙期間中の19日に衆院選が公示される。補選投開票の1週間後に衆院選投開票を迎える異例の日程となる。自民、公明両党は2議席確保を目指す。野党は静岡で候補者を一本化せず、山口でも共闘は成立しなかった。

日経平均、一時900円超安 米株式市場でのハイテク株下落が影響
5日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅に下落し、下げ幅が一時、前日終値比900円を超えた。午前10時現在は、前日終値比808円77銭安の2万7636円12銭となり、2万8000円を割り込んだ。4日の米株式市場で、原油高や長期金利上昇への警戒感から、アップル、マイクロソフトなどのハイテク株を中心に株価が下落した。日本株も半導体や機械関連などで売りが広がっている。他にはカジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、9月の販売で苦戦したことから、前日比で一時5%超の下落となっている。

Facebookで大規模障害 インスタやワッツアップでも
米会員制交流サイト(SNS)のフェイスブック(FB)で米東部時間4日正午(日本時間5日午前1時)ごろから大規模な障害が発生し、サービスを利用できなくなった。グループの写真共有アプリ「インスタグラム」や通信アプリ「ワッツアップ」でも障害が起きた。

Windows11提供開始 6年ぶり スマホ連携や在宅機能充実
米マイクロソフトは5日、新しい基本ソフト(OS)の「ウィンドウズ11」の提供を始めた。抜本的な刷新は約6年ぶり。現行の「10」の利用者は無料で更新できる。スマートフォンとの連携や在宅勤務に役立つ機能を充実させた。

更新できるタイミングは、利用者が使用するパソコンによって異なる。2022年半ばまでに一定の性能を満たした全ての機器への提供を予定している。「11」を搭載したパソコンも発売する。新たな機能では、スマホ用OS「アンドロイド」のアプリが利用できるようにした。テレワーク向けに安全性を高め、ビデオ通話の使い勝手も改善した。