尾身氏発言に強硬論貫く政権「五輪は例外」? 強まる批判
コロナ禍の中での東京五輪・パラリンピックのリスクを指摘する専門家の動きに、政権与党が警戒を強めている。五輪で国民の祝祭ムードを高める政権の狙いに、水を差しかねないと見るからだ。感染防止対策で専門家の知見に頼りつつ、「五輪は例外」とするかのような政権の姿勢に批判も出ている。
尾身氏らは最近、専門家同士で連日のように意見を交わし、五輪開催によるリスクを議論している。東京の感染状況が、緊急事態宣言の目安となるステージ4(感染爆発)なら医療体制への負荷が大きく開催は難しく、ステージ3(感染急増)でも無観客や規模縮小などが必要との認識も共有した。
原発「最大限活用」の表現消える グリーン成長戦略案
経済と環境の好循環をめざす政府のグリーン成長戦略の改訂案で、原発を「最大限活用していく」との表現が消えた。
政府の成長戦略会議で2日に改訂案が示された。電力関係では、再生可能エネルギーを最大限導入する方向性は変わっていない。修正されたのは原発に関する表現だ。これまでは「可能な限り依存度を低減しつつも、安全性向上を図り、引き続き最大限活用していく」となっていた。改訂案は「可能な限り依存度を低減しつつ、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、再稼働を進めるとともに、実効性のある原子力規制や原子力防災体制の構築を着実に推進する」とした。
サンマ・スルメイカ・サケ不漁の原因は温暖化 水産庁
水産庁は4日、サンマやスルメイカ、サケの記録的な不漁の主な原因は地球温暖化とする報告書をまとめた。温暖化で海水温や海流が変わり、稚魚が育ちにくくなったり、産卵場がエサに乏しい沖合に移ったりしていると説明。3魚種は漁獲量が激減し、2019年はいずれも過去最低水準だったが、この不漁が長期的に続く可能性もあると指摘している。
追悼集会なき香港6.4、自由奪われ 天安門事件32年
中国の民主化を求めた学生らが軍に弾圧された1989年の天安門事件から32年となった4日、香港で例年行われてきた事件の犠牲者を追悼する集会は禁止され、会場となってきた公園は警察が封鎖した。中国共産党主導で香港国家安全維持法(国安法)が施行され、集会や言論の自由が奪われた香港の現状が浮き彫りになった一日となった。
「天安門で犠牲の若者も香港も忘れない」台湾総統が投稿
1989年6月の天安門事件から32年を迎えた4日、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は自身のフェイスブックで、「私たちは天安門広場で犠牲になった若者も、ろうそくをともして毎年追悼し続けた香港の人たちのことも忘れない」と投稿した。香港の追悼集会を毎年主催してきた民間団体は今年、警察の摘発を懸念し、開催を見送ることを決めている。蔡氏は投稿の中で、「私は、自由と民主主義を誇りに思う全ての台湾人が歴史上のこの日を忘れず、信念を守っていくことを信じている」とも記した。
天安門事件は「大虐殺」 中国の残虐行為の同義語に―米国務長官
ブリンケン米国務長官は3日、中国の民主化運動が武力弾圧された天安門事件から4日で32年になるのに合わせて声明を発表し、事件を「大虐殺」と表現し、非難した。その上で「天安門広場」は、人権や基本的自由を訴えた数万人の人々を黙らせるために中国政府が取った残忍な行動の同義語となったと指摘した。また、「あの日に起きたことについて透明性を求めることをやめてはならない」と訴え、事件の死者や拘束者、行方不明者に関する完全な説明を求めた。