日米首脳会談 台湾情勢、共同文書に明記へ 日中国交正常化後初
菅義偉首相とバイデン米大統領が16日(日本時間17日)の首脳会談で、中国が軍事的活動を活発化させる台湾海峡情勢が議題となり、共同文書に明記される方向となった。日本側は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現に向け、日米同盟の強化を改めて確認したい考え。米側は中国との「競争」に同盟国・友好国との連携で臨む方針で、その核として日本の協力を取り付けたいとの思惑がある。
日米首脳会談 日本、苦心の「脱中国依存」 半導体、通信、ウイグル
16日に開かれる日米首脳会談では、経済安全保障の観点で中国への依存からの脱却を図る「脱中国依存」が焦点となる。バイデン政権は中国の大国化を強く警戒。同盟国と団結して、半導体や通信機器などの国際的なサプライチェーン(供給網)から中国の締め出しを狙っており、貿易や投資面で中国との結び付きが深い日本は対応に苦慮している。
日米首脳会談では、中国排除を視野に入れた半導体の供給網構築や、安全な大容量通信規格「5G」網整備に向けた連携を共同文書に盛り込む。日米、オーストラリア、インドの枠組み「クアッド」の4か国首脳も3月に協力強化を確認した。同盟を重視するバイデン米政権が発足後、「中国包囲網」は世界に広がりつつある。
ただ、半導体の材料や通信機器の部品を中国に頼る日本にとって、経済の完全なデカップリング(分断)は「至難の業」(経済官庁幹部)だ。また、中国による新疆ウイグル自治区での人権侵害に制裁を科す法律を持たないためか、強制労働への関与が疑われる「新疆綿」の不使用に踏み出す企業の動きは鈍い。
まん延防止、2週間で10都府県に 奈良、和歌山、福岡の追加検討
政府は16日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を首相官邸で開き、地域を限定して感染拡大抑制策を講じる「まん延防止等重点措置」を埼玉、千葉、神奈川、愛知4県に適用することを決めた。期間は20日から5月11日。既に適用済みの東京都など6都府県から10都府県に拡大する。このうち大阪府について、西村康稔経済再生担当相は緊急事態宣言を出す可能性に言及した。重点措置に関し、政府は奈良、和歌山、福岡3県への適用も検討する。この他、愛媛県も適用を要請する検討に入っている。