高市首相、譲歩の必要なし 中国の狙いは「中立化」―米専門家

インタビューに応じる米シンクタンク、ハドソン研究所のケネス・ワインスタイン日本部長=20日、ワシントン 国際

高市首相、譲歩の必要なし 中国の狙いは「中立化」―米専門家(時事通信 外信部 2025年11月24日07時15分配信)

米保守系シンクタンク、ハドソン研究所のケネス・ワインスタイン日本部長が23日までにインタビューに応じた。台湾有事を巡る高市早苗首相の発言を受けた日中間の緊張について、中国の狙いは日本の「フィンランド化」(大国の意向に逆らわないように中立政策を取らせること)にあると指摘し、首相が譲歩する必要はないと強調した。主なやりとりは次の通り。

台湾有事が「存立危機事態」に該当し得るとした首相の国会答弁をどう捉えるか。

台湾で何らかの有事が起きれば、日本にとって安全保障上の緊急事態になり得るという真実を述べたものだ。歴代の首相にはこの問題に関し曖昧な態度を取った人もいたが、そうしなかった。

中国側はなぜ強く反発しているのか。

自公連立体制の終結は、自民党よりはるかに中国に友好的な公明党を通じて中国が維持してきた、国家安保や憲法に関わる判断に対する影響力の喪失を意味している。中国は経済的コストを日本に課すことで自維連立体制を揺さぶるとともに、台湾を支持するなら代償を伴うと伝えて日本をフィンランド化し、行動を取れないようにしようとしている。

日本は発言撤回などで譲歩すべきか。

譲歩するのは筋が通らない。これは日本の安保戦略の方向性を巡るより広範な議論だ。日本は容易ではない状況に置かれているが、引き下がることはできない。

米政府はどう対応すべきか。

米政府は日中間で何とか事が収まることを期待しているのだろう。私はそうは思わない。米国は中国と貿易交渉の最中で、トランプ大統領は(中国との)首脳会談を望んでいる。最初の一歩は下院と上院の議員から(日本支持の)強い声明が出ることで、その上で政府からの声明が続く。われわれには日本を支持する義務がある。

首相は非核三原則の見直しの可能性を否定していない。

非常に有益で、必要な議論だ。日本はあらゆる選択肢を真剣に検討し、米国と協議の上で適切に判断すべきだ。