ルーターの位置を変えるだけでWi-Fi速度は劇的に改善?簡単5ステップで解説(eo CLIP 2025年6月27日)
「最近、動画がカクカクして重い」 「オンライン会議が大事なタイミングで固まってしまった」 「スマホゲームでタイムラグがひどい」
など、ご自宅のWi-fi環境にイライラを感じていませんか? もしかしたらWi-Fiルーターの「置き場所」を変えるだけで、その悩みがあっさり解決するかもしれません。
Wi-Fiルーターは置き場所ひとつで、実力をまったく発揮できていないケースがあります。
この記事では、誰でもすぐに試せるルーターの位置変更でWi-Fi環境を改善する具体的なステップを紹介します。
ライター:CLIP編集部
家のWi-Fi、なぜ遅い?まずは置き場所をチェック
Wi-Fiが遅くなる原因の多くは、Wi-Fiの電波をさえぎってしまう「障害物」の存在です。
まずはご自宅のルーターが電波の苦手な場所に置かれていないか、以下の項目をチェックしてみましょう。
床に直接置いている
Wi-Fiの電波は360度球状に広がります。つまり上だけでなく下方向にも広がるため、ルーターを床に置くと電波が床材に吸収されてしまいます。
部屋の隅っこに置いている
Wi-Fiルーターを家の隅に置くと、電波が家全体に行き渡らず、届かない場所ができてしまいます。
テレビや電子レンジなどの家電のすぐ隣
電子レンジなど多くの家電はWi-Fiと同じ周波数帯(2.4GHz)の電波を出すため、電波干渉してWi-Fiの速度が遅くなってしまうことがあります。
本棚や扉付きのキャビネットの中に隠している
扉つきの収納にルーターを入れると見た目はスッキリしますが、本や扉自体が分厚い壁となり、電波を弱めてしまいます。
水槽や花瓶の近く
Wi-Fiの電波は、水分に吸収されやすい性質があります。
金属製のラックの上や近く
金属は電波を反射・吸収してしまうため、著しく電波状況が悪くなる原因になります。
ひとつでも当てはまった場合は、次のステップで置き場所を少し見直すだけで、きっと変化を実感できるはずです。
より基本的なWi-Fiルーターの置き場所や電波の特性について知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
Wi-Fiルーターの正しい位置変更、簡単な5ステップ
Wi-Fiのルーターの位置を下記の5つのステップに沿って変更するだけで、Wi-Fiの電波がスムーズに通るようになる可能性があります。
ステップ1:家の「中心」を探す
Wi-Fiの電波は、ルーターを中心に360度、ボールのように広がっていきます。 そのため、できるだけ家全体の中心に近い場所に置くのが理想です。またリビングなど、家族がよく集まり使用頻度の高い場所に置くのが良いでしょう。
ステップ2:床から「1〜2mの高さ」を確保する
ルーターは、床から1〜2mほどの高さがある場所に置きましょう。 少し高い場所に置くことで、床や家具などの障害物を避け、電波がより遠くまで届きやすくなります。サイドボードや棚の上などがおすすめです。
ステップ3:周りに「物を置かない」スペースを作る
ルーターの周りは、なるべく物を置かずにスッキリさせましょう。 特にアンテナの周囲は、少なくとも30cm、四方はスペースを空けることを意識してみてください。
ステップ4:「家電製品」から離す
チェックリストでも触れましたが、電子レンジ・コードレス電話の親機・テレビ・Bluetoothスピーカーなどからは、できるだけ離してWi-Fiルーターを設置しましょう。
ステップ5:アンテナの向きを調整する
もしお使いのルーターに外付けのアンテナがあるなら、向きを工夫してみましょう。
マンション・平屋の場合
アンテナを垂直に立てると、横方向への電波が強くなります。
2階建て・3階建ての場合
アンテナを色々な角度に(例えば1本は垂直、もう1本は斜め45度など)向けると、階をまたいで立体的に電波が届きやすくなります。
アンテナが内蔵されているタイプの場合は、ルーター本体の向きを少し変えるだけでも効果がある場合があります。
【間取り別】最適なルーター置き場は?
「理屈は分かったけど、自分の家だとどこがベストなの?」 そんな方のために、代表的な間取りごとのおすすめ設置場所をシミュレーションしてみました。
ワンルーム・1K
ワンルーム・1Kの場合、部屋の中央付近にある、少し高さのある棚や机の上にWi-Fiルーターを置くのがおすすめ。部屋全体にムラなく電波を届けられます。キッチンからは少し離すのがコツです。
2LDK〜3LDKのマンション
2LDK〜のマンションの場合、家の中心にあたる廊下か、最も長く過ごすリビングなどがWi-Fiルーターを置くのに適しているでしょう。なるべくWi-Fiルーターが各部屋との距離が近くなる場所を選びます。
光コンセントの位置で制限される場合は、ONU(光回線終端装置)からルーターまでの距離を長いLANケーブルを使って延長するか、スイッチングハブという機器を使うことで分岐ができます。
2階建て・3階建ての戸建て
2階建て・3階建ての戸建てなどの場合、2階の廊下や階段の踊り場など家の「真ん中」にWi-Fiルーターを置くことで、家全体をカバーしやすくなります。もし1階にしか置けない場合は、できるだけ吹き抜けの近くなど、上階に電波が届きやすい場所を選びましょう。
ただこのように上下広い間取りの場合は、後述するメッシュWi-Fiを活用することで広く速くインターネットが利用でき、おすすめです。
効果はあった?位置変更の前後で速度を測ってみよう
Wi-Fiルーターの位置を変えたら、ぜひ速度を測定して変化を実感してみてください。インターネット接続速度の測定はスマホアプリやWebサイトで簡単にできます。
パソコンやスマホのブラウザの検索から「回線速度 測定」などで検索すると「Speedtest」や「Fast.com」「回線速度計測」など計測サービスがヒットするので参考にしてみてください。
まだ改善しない…そんな時はメッシュWi-Fiや回線契約見直しもおすすめ
「色々試したけど、まだWi-Fiが届きにくい部屋がある」 「家の構造上、どうしてもルーターを最適な場所に置けない」
そんなときは、ルーターの位置変更に加えて、メッシュWi-Fiを導入したり、契約を見直したりするのも有効です。
Wi-Fi中継機を導入する
Wi-Fi中継機は電波の届く範囲を広げてくれます。市販のほかのルーターを中継機として利用することも可能です。コンセントに挿すだけの簡単なモデルも多く、特定の部屋だけ電波が弱い場合に効果的ですが、中継機を経由すると速度が低下する場合が多くあります。
家全体をカバーする「メッシュWi-Fi」を利用する
メッシュWi-Fiは複数のWi-Fi機器が網の目のように連携して、家全体に強力なWi-Fi環境を構築する仕組みです。広い家や、複数階で安定して使いたい方に最適です。eo光のコラムでもくわしく解説されているので、ぜひ確認してみてください。
ルーターや回線契約自体を見直す
もしお使いのルーターが5年以上前のものだったり、より高速な光回線が利用できるエリアにお住まいだったりする場合は、機器の買い替えや契約の見直しが根本的な解決に繋がることもあります。
まとめ
この記事では、比較的簡単にWi-Fi環境を改善する「ルーターの位置変更」について解説しました。基本は「家の中心」で「床から1〜2mの高さ」に置くこと、「床」「隅」「水回り」「家電の近く」は避けることをぜひ意識してみてください。
ルーターの位置の変更でも思ったよりも快適な速度が出ない場合は、メッシュWi-Fiの導入や光回線の契約の見直しもおすすめです。