2025年5月16日 今日の出来事

深刻飢餓2億9千万人、国連機関 6年連続増、紛争が主要因に

深刻飢餓2億9千万人、国連機関 6年連続増、紛争が主要因に

国連食糧農業機関(FAO)などは16日、紛争や自然災害で深刻な食料不足に陥った人々の数を示す「急性飢餓人口」が、調査対象となった53カ国・地域で2024年に2億9530万人に上ったとの報告書を公表した。6年連続の増加で、紛争が主な要因だとしている。

国・地域別ではナイジェリアが3180万人で最多。スーダンとコンゴ(旧ザイール)がそれぞれ2560万人で続いた。ウクライナなど15カ国・地域で改善の兆しがあるものの、内戦の影響が深刻なスーダンなど19カ国・地域で悪化したとしている。イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザでは、全人口に当たる約220万人が深刻な食料不足にあると指摘。

ガザ各地で70人超死亡 停戦交渉難航、イスラエル軍攻勢…報道

ガザ各地で70人超死亡 停戦交渉難航、イスラエル軍攻勢―報道

AFP通信は16日、パレスチナ自治区ガザの当局者の話として、15日から16日にかけてイスラエル軍がガザ各地を攻撃し、少なくとも74人が死亡したと伝えた。イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦交渉に進展が見られない中、イスラエル軍が攻勢を強めているもようだ。

別の当局者は「民家に砲撃があった」と説明した。北部の病院の医師によれば、搬送された死傷者約30人の多くが子供と女性だったという。

iPhone、インド生産「するな」 トランプ氏、強める民業介入

iPhone、インド生産「するな」 トランプ氏、強める民業介入

トランプ米大統領が米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」をインドで生産する計画に待ったをかけた。同社は長年、アイフォーンの大半を中国で生産してきた。米中の「関税戦争」を受け、生産移管でコスト増を避ける狙いだったが、再考を迫られた形だ。人件費などが高い米国で生産しても、そのコストは価格に転嫁される公算が大きく、消費者にも打撃となる。

「これまで、よくしてきてやっただろう。インドで生産してほしくない」。トランプ氏は15日、アップルのクック最高経営責任者(CEO)にこう伝えたと明らかにした。

中国、家庭用人型ロボット推進 「天工」開発企業「危険な場所にも」

中国、家庭用人型ロボット推進 「天工」開発企業「危険な場所にも」

中国北京市で4月に開かれた人型ロボットによるハーフマラソン大会で優勝した「天工」を開発した企業が16日、海外メディアの取材に応じ、中国のロボット開発状況や展望について説明した。担当者は「機能の強化だけでなく、家庭用や(人が行けない)危険な場所で応用できる最良のロボットにしたい」と話し、開発を推進する考えを示した。

天工を開発したのは北京の新興企業「北京人型ロボットイノベーションセンター」。この日は天工が坂道を上り、砂利道や砂場といった歩きにくい場所でも倒れずにまっすぐ歩くデモンストレーションが披露された。

琵琶湖疏水を国宝に 太陽の塔など重文8件…文化審

琵琶湖疏水を国宝に 太陽の塔など重文8件―文化審

文化審議会(島谷弘幸会長)は16日、琵琶湖の水を京都市内に運ぶ「琵琶湖疏水施設」(大津市、京都市)の一部を国宝に、1970年大阪万博のシンボルとして親しまれている「太陽の塔」(大阪府吹田市)など8件を重要文化財に新たに指定するよう、文部科学相に答申した。近く答申通り告示され、重文の建造物は2597件(うち国宝233件)となる。

琵琶湖疏水施設のうち、国宝指定を答申したのは南禅寺水路閣など5カ所。蹴上発電所旧本館など19カ所についても併せて重文指定を答申した。明治中期の土木技術の粋を集めて建設され、舟運やかんがい、発電、水道といった多岐にわたる機能を持つ。近代の土木構造物として初の国宝となる。

14官民ファンドが累積損失 23年度末、JOINなど…検査院

14官民ファンドが累積損失 23年度末、JOINなど―検査院

政府が政策実現のため民間企業と共同してベンチャー企業などに出資する「官民ファンド」を巡り、会計検査院が23ファンドの運営状況を調べたところ、うち14ファンドが2023年度末時点で累積損失となっていたことが16日、分かった。

損失額は、国土交通省所管の「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」が最も多く約954億円に上った。次いで経済産業省の「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」が約397億円、農林水産省の「農林漁業成長産業化支援機構(A―FIVE)」の約162億円、総務省の「海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)」の約123億円が続いた。

奈良で伝統の「薪御能」 古都に初夏告げる幽玄の舞

奈良で伝統の「薪御能」 古都に初夏告げる幽玄の舞

古都に初夏の訪れを告げる伝統行事「薪御能」が16日、奈良市の春日大社と興福寺で始まった。各地の野外能の源流とされており、興福寺を会場とする「南大門の儀」では、宝生流能「三輪」などを上演。観客らは揺れる炎に照らされる演舞を静かに見つめた。

薪御能は869年から続く興福寺の法会「修二会」が由来。鎌倉・室町時代ごろから参勤奉仕してきた観世・金春・宝生・金剛の4座が能を披露し、狂言も演じられる。 演目は2日間にわたり、17日は春日大社で金春流能「玉葛」、興福寺で約400年ぶりに復曲された金春流能「八重桜」などが披露される。

アマミノクロウサギ、ゆっくり成長 他のウサギより5倍遅く…岡山理科大と東大

アマミノクロウサギ、ゆっくり成長 他のウサギより5倍遅く―岡山理科大と東大

鹿児島県・奄美大島と徳之島だけに生息する特別天然記念物アマミノクロウサギは、普通のウサギより成熟速度が5倍遅いことが、岡山理科大(岡山市)と東京大の研究チームの分析で分かった。餌や天敵が少ない島特有の環境に適応した結果と考えられるが、絶滅リスクを高める要因にもなっているという。論文は4月、日本哺乳類学会が発行する国際誌の電子版に掲載された。

アマミノクロウサギは体長約40~50センチ。環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されており、生息数は奄美大島で2000~4800頭、徳之島で約200頭と推定される。