高橋洋一・政治経済ホントのところ【石破内閣の支持率急落】すぐ退陣でも不思議でない(北國新聞 2025/4/1 05:00)
共同通信社が3月22、23日に実施した全国電話世論調査で、石破内閣支持率は前回調査(2月15、16日)から12・0ポイント急落し、27・6%だった。昨年10月の内閣発足後、最も低かった同月の衆院選直後の32・1%を下回った。
内閣支持率が30%を割り込むのは岸田内閣末期の昨年8月の26・1%以来。その時の自民党支持率は36・7%で、内閣支持率と自民党支持率を合計した「青木率」は62・8%だった。今回、内閣支持率27・6%、自民党支持率27・7%で青木率は55・3%だ。政界での有名な経験則として青木率が6割を下回ると政権運営が難しくなる。
今回の世論調査でも、石破首相がいつまで続けてほしいかを聞いたところ「今年春の2025年度予算成立まで」が30・9%で最多。「今年夏の参院選まで」が27・5%となっている。
要するに、普通であれば石破政権は今倒れても不思議ではない。実際、衆院での予算修正後、すぐに高額療養費引き上げの凍結で参院でも予算を修正した。この修正は衆院で行うべきだった。
予算の衆院での優越性から、参院で修正されたものを衆院で徹底審議しても良かった。そうなれば、石破政権は直ちに吹っ飛ぶはずだ。
しかし、衆院予算委員長を出している立民はそこまでせず、予算の年度内成立に協力的だった。石破政権の延命に手を貸しているのである。石破茂首相のまま7月の参院選を戦いたいという思惑が透けて見える。
加えて、石破氏の首相への執心ぶりや自民党内でポスト石破の意見の一致がないことも、石破政権が延命できている要因だ。
こうして(1)石破首相の粘り(2)立民が7月の参院選まで延命させたいとの思惑(3)自民党内でポスト石破の足並みが乱れていること-という普通でない事態が重なり、今の石破政権が生き永らえている。どれか一つでも成り立たなくなったら、石破政権はすぐに退陣となっても不思議ではない。
さらに新たな不安要素も出た。石破首相が3月25日、官邸で行った斉藤鉄夫公明党代表との与党党首会談後、予算成立後に強力な物価高対策を速やかに策定するとした方針だ。
ガソリン税の暫定税率廃止や高騰しているコメ価格の抑制などに対応する狙いだが、微妙な予算審議日程の中での余計な一言であり、すぐに林芳正官房長官は予算措置はないとした。綱渡りだが25年度予算が年度内成立すれば、石破政権はひと息つけるだろう。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)