自民総裁選・河野太郎氏の目に余るご都合主義…「総理誕生」での脱派閥とマイナ普及は矛盾だらけ

河野太郎デジタル相 政治・経済

自民総裁選・河野太郎氏の目に余るご都合主義…「総理誕生」での脱派閥とマイナ普及は矛盾だらけ(日刊ゲンダイ 公開日:2024/09/02 10:25 更新日:2024/09/02 13:21)

「閣僚や党三役は派閥を離脱してもらうことになる」──。河野太郎デジタル大臣(61)は1日のフジテレビ番組で、「河野総理」が誕生した場合の組閣を問われ、そう明言した。ただ、自身は大臣ポストに就きながら、麻生派を離脱していない。「自分に甘く、他人に厳しい」では、誰がついてくるのか。

河野大臣が派閥に属しながら総裁選へ立候補することに「納得できるかどうか」に関し、番組内の視聴者アンケートでは「納得できる」が18%。「納得できない」が69%にも上った。

まるで共感を得られなかったが、河野大臣は「候補者が今の時点で派閥、旧派閥に所属しているかどうかではなく、誰が総裁になっても『次の人事に派閥は介入させないこと』が徹底されるかどうかが大事」とノラリクラリ。「皆さんには、そこをしっかり見極めていただきたいと思います」と言い放った。

納得を得たいなら、さっさと派閥を離脱すればいい。なのに、脱派閥の改革派を気取りながらケジメはつけられず、「所属する麻生派の数の力」を頼る「ご都合主義」。

一方、新閣僚・党三役には派閥離脱を求める。これを「矛盾」と言わずして何と言う。

こうした態度は、旗を振るマイナカードの利用促進にも表れている。

河野大臣は同番組で「災害時にマイナカードを持ってきてもらって、避難所でいろんな入所の確認をしたり、あるいはアレルギーや薬の情報を災害対策本部に一括で入れたりということができるようになっていきます」と“利便性”を力説。しかし、マイナ保険証がなくても、災害時は氏名、生年月日、性別、住所などの基本情報で、薬剤情報・診療情報・特定健診情報の閲覧が可能だ。

■「便利だから持った方がいいよね」

本来は任意取得であるはずのマイナ保険証を実質的に強制する強引さがヒンシュクを買っているのに、河野大臣は「イデオロギー的に反対されている方がまだいらっしゃいます」と反省の色すらない。「義務化ですと言って『ぎゃっ』となるよりは、『便利だから持った方がいいよね』を増やしていくのが、まず当初の戦略として大事かなと思います」と続けたが、一蓮托生でマイナ保険証をゴリ押ししている厚労省は、〈利用実績が低い医療機関等に対する個別の働きかけ〉を行う方針である。現場にプレッシャーをかけることのどこが、河野大臣の言う「戦略」なのか。

派閥離脱といい、マイナカードといい、主張は矛盾だらけ。万が一、「変節の異端児」が総理になったら「ぎゃっ」となる。

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麻生派では河野氏では勝ち目がないため派閥として一本化はしない。国会議員票の比重が重くなる決選投票に向けて、麻生氏が躍起なのは…