小泉進次郎氏ら主導の「こども保険」復活 !? ネットでは働く世代から猛反発 “減税派”「増税警報発令!」、明石市・泉市長も反対(SAKISIRU編集部 2022年08月17日 19:30)
自民党の小泉進次郎氏ら若手議員が5年前、幼児教育や保育園無償化など少子化対策の財源として提案した「こども保険」が16日、ツイッターのトレンドワードに突然入り、ネットで警戒論が渦巻くなど物議を醸す一幕があった。
復活報道に“減税派”警戒
ネットで話題になったきっかけは、ビジネスメディア「財界オンライン」がその前日、厚生労働省が少子化対策の新たな財源確保の手段として「こども保険」の導入を検討していると報じたことだった。
ただ、この報道では、いつからどのように「こども保険」の導入を検討するのかが明らかになっていない。さらに、導入を推進する厚労省の幹部の話として、「こども保険は子どもがいない人からも幅広く徴収することになる。直接恩恵を受けない人の理解を得られるかどうか」という疑問も呈している。
そのため、現時点ではどこまで現実味のある話なのかは不明だが、このニュースが配信されるとネットの“減税派”を中心に、多くのネット民が「事実上の増税だ」と警戒感を強めている。
「また社会保障天引きが増える!」
政府や官僚はまた我々に新しい名目で取り立てる計画を立てている。
また社会保障天引きが増える!子供に予算割くのは賛成やけど、ならば先に高齢者サブスク医療を削らんかい!なんでカツカツの庶民自営業者やサラリーマンから天引きする。現役労働者舐めんなよ!
これでまた子育て世帯への風当たりが強くなるね。ただでさえ子育てしにくい世の中なんだから辞めてくれよ!そうじゃなくて昔あった年少扶養控除を復活させた方が良いと思う。よっぽど理解得やすいよね
こども医療費の無料化、第2子以降の保育料の完全無料化、中学校の給食費無償など、「明石独自の5つの無料化」の導入で、子育て世帯を中心に9年連続で人口増加を実現した兵庫県明石市の泉房穂市長も「こども保険」にツイッターで反対の立場を示した。
『こども保険』の導入には反対だ。これ以上、国民に負担を強いる必要はない。『こども保険』を検討したけど、国民の反対が強く導入できないので、『こども予算の拡充』も困難とのストーリーを官僚たちが描いているのは明らか。そんなものなくたって、予算拡充は当然に可能だ。
『こども保険』の導入には反対だ。これ以上、国民に負担を強いる必要はない。『こども保険』を検討したけど、国民の反対が強く導入できないので、『こども予算の拡充』も困難とのストーリーを官僚たちが描いているのは明らか。そんなものなくたって、予算拡充は当然に可能だ。 https://t.co/klcRohtvWn
— 明石市長 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) August 16, 2022
5年前に進次郎氏らが提言も不評
ここまで嫌われる「こども保険」とはどのような内容だったのか。2017年の「骨太の方針」に「幼児教育や保育の早期無償化」が盛り込まれた。これを実現するための財源として、当時、自民党内で有力視されていたのが、小泉進次郎衆議院議員ら若手議員が提唱した「こども保険」だ。
保険料を納めるのは、子どもがいるいないにかかわらず企業で働いているすべての人と、働き先の企業。厚生年金や国民年金に上乗せされる形で徴収されるという案だった。働いている人にとっては今よりさらに手取りが減り、企業にとっても人を雇う際の人件費がさらに増えるということで、当時も反発が大きかった。
産経新聞(17年9月5日)によると、日本商工会議所の三村明夫会頭は「税財源や消費税の引き上げが正統的な議論だ。消費増税が難しいから、こども保険が浮上していることに違和感を覚える」と述べた。
結局、小泉議員らが提言した「こども保険」構想は実現こそしなかったものの、2017年10月に行われた衆院選の自民党公約に取り入れられ、安倍政権が取り組んだ全世代型の社会保障への転換のきっかけとなった。
これにより「こども保険」の構想は政治的には“お蔵入り”になったはずだった。ここにきて急浮上することにはどういう意味があるのだろうか。岸田政権は国政選挙が最長で向こう3年間予定されていない「黄金の3年間」に無理やり通すつもりなのだろうか。