気候変動対策に後ろ向きな日本 不名誉な『本日の化石賞』を授賞

COP26_日本は「化石賞」を授賞 政治・経済・社会

環境団体、岸田演説に反発「ゼロエミッション火力妄信」 化石賞も(毎日新聞 2021/11/3 19:43 最終更新 11/3 19:43)

「対策に全力で取り組み、人類の未来に貢献する」。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)首脳級会合で高らかに宣言した岸田文雄首相だが、環境団体などから早速批判を浴びることになった。

世界の環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」は2日、気候変動対策に後ろ向きな国などに贈る「本日の化石賞」に日本を選んだと発表した。首相が「ゼロエミッション(排出ゼロ)化」を前提としつつ、未確立の技術に頼って既存の火力発電を活用し続ける方針を表明したことが授賞理由だ。

CANは「石炭火力の段階的廃止が今回のCOPの優先課題なのに、日本は2030年以降も使い続けようとしている。さらに岸田首相は水素やアンモニアを使った『ゼロエミッション火力』を妄信している」と指摘。水素などを活用する技術はまだ未熟でコストも高く、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が掲げる「産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える」という目標達成を危うくさせると批判した。

COP26に参加している国際シンクタンク「E3G」のオールデン・メイヤー上級参与は「水素製造にはエネルギーが必要だ。岸田首相は水素の供給源について言及しなかったが、もし化石燃料を使って製造するのなら問題だ」と話す。水素やアンモニアは天然ガスや低品質の石炭(褐炭)から製造することがほとんどで、日本の環境NGO「気候ネットワーク」は「実態は化石燃料開発事業だ」と指摘する。製造時に出る二酸化炭素(CO2)を回収・貯留する技術の実用化も課題だ。

政府は昨年10月、「50年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を目指すと表明。今年4月には30年度までの削減目標を「13年度比46%減」に引き上げた。こうした目標の引き上げや、途上国への資金拠出増額の表明に対して評価する声も聞かれたが、火力発電に関する発言に批判が集まった。