岸田首相、退陣へ 自民総裁選、不出馬表明 「自民党が変わること示すため身を引く」

記者会見で自民党総裁選への不出馬を表明する岸田首相(14日午前11時30分、首相官邸で) 政治・経済

岸田首相、退陣へ 自民総裁選、不出馬表明…時事通信・8月14日11時43分

岸田首相、退陣へ 自民総裁選、不出馬表明

岸田文雄首相は14日、首相官邸で記者会見し、9月の自民党総裁選に出馬しない意向を表明した。首相の党総裁任期は9月末で満了を迎え、新総裁選出後に退任する。

首相は会見で、「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ」と述べ、決断の理由を説明。「総裁選を通じて選ばれた新たなリーダーを一兵卒として支える」とも語った。

昨年末以降、自民の派閥裏金事件を巡って世論の批判が高まり、内閣支持率は低迷が続いていた。衆院議員の任期満了が来年10月に迫る中、自民内からは裏金事件での首相の引責を求める声も相次ぎ、自民総裁選への対応が注目されていた。

首相は2021年10月に就任。同年10月の衆院選、22年7月の参院選を乗り切り、防衛費の大幅増額や少子化対策の財源確保策などに取り組んできた。

「最初の一歩は私が身を引くこと」岸田首相が総裁選不出馬を表明…支持率低迷で自民党内に危機感…読売新聞・8/14 12:00

「最初の一歩は私が身を引くこと」岸田首相が総裁選不出馬を表明…支持率低迷で自民党内に危機感

岸田文雄首相(67)(自民党総裁)は14日午前、首相官邸で記者会見し、9月に予定される党総裁選に出馬しない考えを表明した。2021年10月4日の首相就任から、約3年で退陣する。自民党派閥の政治資金規正法違反事件で内閣支持率は20%台で低迷が続いており、党内に広がる退陣論に応じざるを得ないと判断した。

首相は記者会見で、「お盆が明ければ、いよいよ秋の総裁選に向けた動きが本格化する。総裁選で自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ。私は総裁選には出馬しない」と明言した。「総裁選を通じて選ばれた新たなリーダーを一兵卒として支えていくことに徹していく」とも語った。

これまで首相は秋の経済対策の策定を目指す考えを表明するなど、再選への意欲を繰り返し示してきた。だが、読売新聞社の全国世論調査で内閣支持率は昨年11月以降、20%台に低迷したままで、党内には「岸田首相の下で次期衆院選を戦えない」(自民中堅)との危機感が広がっていた。

総裁任期は1期3年で、9月30日に満了する。後継を選ぶ総裁選は党の規定に基づき9月20~29日のいずれかが投開票日となる。衆院議員の任期満了(来年10月30日)を約1年後に控える中、次期衆院選を見据えて「党の顔」を選ぶ意味も持つ。新総裁は国会の指名を経て、次期首相に就任する。

現時点で、総裁選への出馬を正式に表明した候補はいないが、首相の不出馬表明を受け、動きは一気に活発化しそうだ。河野太郎デジタル相(61)が出馬の意向を固めているほか、茂木敏充幹事長(68)や、高市早苗経済安全保障相(63)、石破茂・元幹事長(67)が出馬に意欲を示している。党内には知名度の高い小泉進次郎・元環境相(43)に期待する声や、中堅・若手を中心に小林鷹之・前経済安全保障相(49)を推す動きもある。

首相は22年12月には、日本の防衛力を抜本的に強化するため、国家安全保障戦略など3文書を改定し、23年5月には地元・広島市で先進7か国首脳会議(G7サミット)を開催した。東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を開始し、原発の再稼働推進を打ち出すなど、長年の懸案に道筋をつけた。

岸田首相「自民党が変わること示すため身を引く」 総裁選不出馬…毎日新聞・8/14 12:07

岸田首相「自民党が変わること示すため身を引く」 総裁選不出馬

岸田文雄首相は14日、記者会見を開き、9月に予定される自民党総裁選への立候補を見送る意向を明らかにした。

岸田首相は「昨日モンゴルの首相との電話会談を行ったことをもって、この夏の外交日程を一区切り付けることができた。お盆が明ければいよいよ秋の総裁選への動きが本格的になる」としたうえで、「新生自民党を国民の前に示すことが必要。透明で開かれた選挙、何よりも自由闊達(かったつ)な論戦が重要だ。自民党が変わることを示す、分かりやすい一歩は私が身を引くこと」と述べた。

【速報中】岸田首相が総裁選の不出馬表明「自民党が変わることを示す、最も分かりやすい一歩」…東京新聞・8月14日11時36分

【速報中】岸田首相が総裁選の不出馬表明「自民党が変わることを示す、最も分かりやすい一歩」

岸田首相は、総裁選について「新生自民党を国民の前にしっかり示すことが必要」と指摘。

「自民党が変わることを示す、最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことです」と語り、総裁選への不出馬を明言した。

「新しいリーダーを一兵卒として支えることに徹していきます」と述べた。

岸田首相は2021年10月4日に首相に就任した。昨年末には自民党派閥の裏金問題が発覚するなどし、内閣支持率が歴代でも最低水準まで低迷。首相は再選出馬を模索してきたが、党内からは公然と交代を求める声も上がっていた。

岸田首相の在職日数は、1046日で、岸信介元首相に次ぎ戦後8番目の長さとなっている。

岸田首相 自民総裁選に不出馬表明 各界・各地の受け止めは…NHK・8月14日 11時36分

岸田首相 自民総裁選に不出馬表明 各界・各地の受け止めは

岸田総理大臣は、来月の自民党総裁選挙に立候補しない意向を固め、政権幹部に伝えました。海外メディアも速報で伝えたほか、与野党などからさまざまな受け止めが広がっています。

《与野党の反応》

自民 亀岡総裁特別補佐「少し決断が早かった」
自民党の亀岡偉民・総裁特別補佐はNHKの取材に対し「少し決断が早かったのではないか。自民党の今後を考え、総裁として党全体を見渡した上で決断してもらいたかった。今の国内外の情勢は、政治がしっかりとリーダーシップを発揮しなければならない状況なので、総裁選挙では、そうした議論をきちんとしていかなければならない」と述べました。

自民幹部「重い決断 『政治とカネ』の問題にけじめ」
自民党幹部はNHKの取材に対し「岸田総理大臣は重い決断をした。『政治とカネ』の問題にけじめをつけるためには仕方がない。現職の総理大臣が不出馬ということで、総裁選挙に向けて今後、党内は混とんとしていくだろう」と述べました。

岸田派幹部「不出馬に追い込まれた形 残念で気の毒」
自民党岸田派の幹部はNHKの取材に対し「外交政策や防衛政策、それに内政でも実績を残してきたが政治とカネの問題で不出馬に追い込まれた形となった。非常に残念で気の毒に思う」と述べました。

自民 関口参院会長「率直に驚いた」
自民党の関口参議院議員会長はNHKの取材に対し「率直に驚いた。一連の政治資金問題など大変な状況の中で、3年間、国民のために一生懸命、頑張ってもらった」と述べました。

岸田派幹部 小野寺元防衛大臣「政治改革でけじめ」
岸田派の幹部、小野寺・元防衛大臣は、NHKの取材に対し「総理大臣としていろいろな状況を踏まえ、進退について考えたのだろう。公務優先であたってきた結果、このタイミングでの判断となったのだと思う。一連の問題を受けた政治改革で一定のけじめをつけるという判断なのではないか」と述べました。

自民幹部「さまざな事情を考慮した上での決断」
自民党幹部の1人はNHKの取材に対し「さまざな事情を考慮した上での岸田総理の決断だろう。受け止めたい」と述べました。

自民幹部「『立候補してほしい』との説得ダメだった」
自民党幹部はNHKの取材に対し「何度も『立候補してほしい』と説得したがダメだった。やりかけのこともたくさんあり、無責任なことだとも思う」と述べました。

自民 閣僚経験者「自民党への逆風収まらない」
自民党の閣僚経験者の1人はNHKの取材に対し「国民からも国会議員からも『岸田総理大臣は嫌だ』という声が多かったのでその声はいったん落ち着くものの、自民党への逆風は収まらないだろう。総裁選挙でかったつな議論を行いたい」と述べました。

自民 閣僚経験者「立候補しても勝てる見込みないと考えた」
自民党の閣僚経験者はNHKの取材に対し「岸田総理大臣は総裁選挙に立候補しても勝てる見込みがないと考えたのだろう。新しい総裁は、当然、衆議院解散・総選挙を意識して選出することになる」と述べました。

公明幹部「続投するのではないかと思っていた」
公明党幹部はNHKの取材に対し「続投するのではないかと思っていたので、突然のことに驚いた。いろんな判断があると思うので受け止めたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「今後は政局全体が流動的になる」
立憲民主党の安住国会対策委員長はNHKの取材に対し「総裁選挙に出ると思っていたので突然の意向表明に驚いている。政治とカネの問題で国民に理解されないと、ようやく判断したということなのだろう。今後は政局全体が流動的になる」と述べました。

立民 逢坂代表代行「政策成し遂げるより自民党政権の延命決断」
立憲民主党の逢坂代表代行はNHKの取材に対し「先の国会では、政治資金規正法の議論で国民の信頼を得るような改革をしなかった。政治改革をはじめ、何かを成し遂げたいという政策があれば、このタイミングで総裁選挙に立候補しないという決断はしなかったはずだ。政策などを成し遂げるよりも自民党政権の延命を決断したと見られてもしかたがない」と述べました。

維新 藤田幹事長「党内まとめきる力なかったこと残念」
日本維新の会の藤田幹事長は、NHKの取材に対し「突然のことに驚いている。政治改革では公党間の約束を果たせず、岸田総理大臣に党内をまとめきる力がなかったことは残念だ。次期自民党総裁には、国会議員に毎月支給される旧『文書通信交通滞在費』、今の『調査研究広報滞在費』の改革をはじめ、有言実行で改革を実現することを強く求める。総裁選挙では、憲法改正や社会保障改革などの議論が進むかどうか注視する」と述べました。

《海外メディアの反応》

海外メディアも速報で伝える
岸田総理大臣が来月の自民党総裁選挙に立候補しない意向を固めたことについて、韓国の連合ニュースやロイター通信なども日本メディアの報道を引用して速報で伝えています。

このうち、韓国の連合ニュースは自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、内閣支持率が低迷していることに触れ「『退陣危機』のレベルである10%から20%台にとどまり党内外から退陣の圧力を受けてきた」と報じています。

また、ロイター通信は「支持率が低迷する中での退陣決定は世界4位の経済大国の首相の後継争いの引き金となるだろう」と報じています。

このほか、AP通信や中国の国営・中国中央テレビ、それに、フランスのAFP通信も速報で伝えています。

《岸田首相の地元では》

岸田総理大臣が来月の自民党総裁選挙に立候補しない意向を表明したことについて、地元の広島市では、驚きの声などが聞かれました。

50代の女性は「もう一度やると思っていたのでびっくりした。去年のG7広島サミットでは広島のためにも頑張っていたが、それ以降は頑張りが足りなかった感じがする」と話していました。

3歳の子どもを連れた30代の母親は「率直な意見でいうと続けてもいいと思っていた。次が誰になるのかに関心がある」と話していました。

80代の男性は「みんなの人気がそれほどでもない感じだから、今の状態だったらしかたがないのかもしれない」と話していました。

20代の大学生の男性は「続けてほしいが、自分が辞めたいというのなら選択を尊重してあげるべきだと思う」と話していました。

《各地での受け止めは》

JR新橋駅前で話を聞きました。

愛知県から旅行で訪れた30代の男性は「今後も続けると思っていたので驚きました。これまで税金関連の政策などを積極的にやっていたと思いますが、不出馬になることで政策の一貫性がどうなるのか気になります」と話していました。

都内の60代の女性は「支持率も下がり党内からも退陣論が出ていたので賢明な判断だと思います。個人消費が上がっていないので新しい人には生活しやすい環境を作ってもらいたいです」と話していました。

岡山県から旅行で訪れた30代の男性は「正直誰がやっても変わらない気もしますが、裏金の問題などもあるのでクリーンな政治を期待したいです」と話していました。

大阪・梅田で聞きました。

大阪・交野市に住む60代の男性は「『裏金問題』などがあったので賢明な判断だと思います。当初は期待していましたが、岸田カラーをうまく打ち出せなかった印象です。新しい総裁には円安や物価高などさまざまな課題に取り組むことを期待したいです」と話していました。

大阪市に住む70代の女性は「岸田総理の発言は国民のことをよくわかっているなと思っていたので、応援していました。立候補しないと聞いて残念です」と話していました。

神戸市に住む60代の男性は「内閣支持率も下がっていて、不祥事もあったので、立候補しないことはしかたがないと思います。判断が後手後手でリーダーシップを発揮できなかったのかなと思います」と話していました。