「自分の命自分で守る」 福島の語り部横浜で講演 「家族で防災話し合って」

東日本大震災の経験について、自宅近くの様子を見せながら説明する大河内さん(いずれも9日、横浜市保土ヶ谷区で) 社会

「自分の命自分で守る」 福島の語り部横浜で講演 「家族で防災話し合って」(読売新聞 2024/03/10 05:00)

横浜市保土ヶ谷区の保土ヶ谷公会堂で9日、2011年の東日本大震災の被災者が当時の教訓を語る講演会が行われ、「災害の時に一番大事なのは命を守ることだ。自分の命は自分で守って」と訴えた。

区や自治会などで構成する区災害対策連絡協議会と、保土ヶ谷消防署の共催。

語り部として活動する福島県いわき市の大河内喜男さん(75)が、通院で内陸部にいた当時、家族の安否が気になって自宅のある沿岸部に戻った経験を語り、「私たちは奇跡的に助かったが、同じような行動を取って犠牲になった方がたくさんいる」と訴えた。その上で、災害時には安全な場所に避難することを確認し合うなど普段から家族で防災について話し合う必要性を強調した。

大河内さんは元日に起きた能登半島地震での避難状況にも言及。「避難所で一番問題になるのはトイレだ」として、「簡易トイレを準備しておくことは有効」と語ると、訪れた約250人は真剣に耳を傾けていた。

会場には、防災用品などを紹介するブースも出展された。来場者は、揺れを感じると電源が落ちる「感震ブレーカー」の見本などに見入っていた。同区星川の大尾美登里さん(69)は、「経験者じゃなければ語れないことを聞けて良かった。能登での地震もあり、『自分ごと』と思って備えをしようと思った」と話していた。