時事通信が9~12日、6月の世論調査を、全国18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で実施した。有効回収率は60.6%だった。
岸田内閣の支持率 前月比3.1ポイント減の35.1%
岸田内閣の支持率は前月比3.1ポイント減の35.1%だった。支持率が下落に転じたのは1月以来5カ月ぶり。不支持率は同3.2ポイント増の35.0%で、支持と不支持が拮抗した。
岸田文雄首相の長男で首相秘書官を務めていた翔太郎氏が昨年末、首相公邸で親族と忘年会を開き、公的なスペースで写真撮影に興じたことが発覚。首相自身の関与も明らかとなり、支持率を押し下げる要因になったとみられる。
マイナンバーカードを巡り、健康保険証と一体化した「マイナ保険証」に別人の情報を誤ってひも付けるなどのトラブルが続出したことも影響した可能性がある。
忘年会の開催は、5月25日発売の週刊文春が報道。首相は当初、翔太郎氏を「厳重注意」にとどめていたが、今月1日付で更迭した。このタイミングについて「遅かった」が56.8%で、「適切だった」の27.8%を大きく上回った。「更迭の必要はなかった」は6.7%にとどまった。
首相自身も写真撮影に応じていたことがその後に判明。「私的なスペースで同席した」と釈明したが、これに対して「大いに問題だ」「ある程度問題だ」との回答が計66.7%を占めた。「あまり問題ない」「全く問題ない」は計25.2%だった。
内閣を支持する理由(複数回答)
内閣を支持する理由(複数回答)は「他に適当な人がいない」が14.9%で最多。「首相を信頼する」6.1%、「印象が良い」5.6%と続いた。
支持しない理由(同)は「期待が持てない」18.9%、「政策がだめ」13.9%、「首相を信頼できない」13.4%が上位に並んだ。
自公連立「解消を」4割超 維持派を上回る
自民、公明両党の連立政権を今後どうすべきか尋ねたところ、「解消すべきだ」が41.9%を占め、「維持すべきだ」の24.8%を上回った。「どちらとも言えない・分からない」は33.3%だった。
両党は衆院小選挙区の「10増10減」に伴う候補者調整で衝突。公明が東京での選挙協力解消を自民に通告する事態に発展した。
ただ、自民支持層に限ると、維持派が47.8%と半数近くに上り、解消派(31.3%)を上回った。公明支持層ではこの傾向がさらに顕著で、「維持」56.3%、「解消」25.0%。選挙で公明の組織力に期待する自民側、与党として影響力を行使できる公明側の「本音」がにじみ出る形となった。
野党支持者は解消派が全体の数値より多く、立憲民主党支持層では「維持」15.8%に対して「解消」71.1%。日本維新の会支持層では「維持」12.7%、「解消」65.5%だった。
少子化対策の財源 社保料増額、1割満たず
「異次元の少子化対策」の財源をどう確保すべきか尋ねたところ、「国債発行」が23.1%で最多だった。次いで「社会保障費などの歳出削減」21.5%、「消費税などの増税」17.7%の順。
政府内で浮上している「社会保険料の増額」は6.9%にとどまった。「この中にはない・分からない」は30.8%。
生成AI、8割が「規制必要」
対話型の人工知能(AI)「チャットGPT」に代表される生成AIについて、個人情報や著作物を無断で使わないよう法律などで規制することの要否を尋ねたところ、「必要だと思う」と答えた人が78.8%に上り、「必要だと思わない」の7.3%を大幅に上回った。「どちらとも言えない・分からない」は13.9%だった。
政党支持率 自民党22.4%、次いで、日本維新の会4.5%
政党支持率は、自民党が前月比2.0ポイント減の22.4%。次いで日本維新の会4.5%(同1.4ポイント減)、立憲民主党3.1%(同1.1ポイント減)の順だった。維新が立民を上回るのは2カ月連続。
以下、公明党2.6%、共産党1.7%、れいわ新選組1.2%、国民民主党0.9%、参政党0.5%で、社民党と政治家女子48党が0.2%。「支持政党なし」は前月比5.0ポイント増の59.8%だった。
【元記事】
内閣支持下落35.1% 公邸忘年会、岸田首相「問題」7割弱―時事世論調査(JIJI.COM 2023年06月15日17時00分)
自公連立「解消を」4割超 維持派を上回る―時事世論調査(JIJI.COM 2023年06月15日17時15分)