2月13日(土)午後11時8分頃、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3、深さ55kmの地震が発生し、北海道から近畿、中国地方にかけての広い範囲で揺れを観測した。
特に揺れが激しかったのが震源に近い宮城県から福島県にかけてで、宮城県蔵王町や福島県相馬市などで震度6強、宮城県石巻市や岩沼市、福島県福島市、郡山市などで震度6弱の激しい揺れに見舞われた。
国内で震度6強以上の揺れを観測するのは、2019年6月18日の山形県沖の地震以来で、1年8か月ぶり。
地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、震源の深さや断層の方向などから沈み込んでいる太平洋プレートの内部で発生したと推定される。
震源は2011年3月11日の東日本大震災を引き起こした地震から南西に約110キロ離れているが、気象庁は青森県から千葉県の沖合の広範囲で起きたその後の地震をその余震と位置づけている。
この範囲では、11年の「本震」から1年間でM4.0以上の余震が5383回起きたが、19年3月11日からの1年間では175回と30分の1以下に減っていた。ただ、東日本大震災以前よりは多いという。
福島第1使用済み核燃料プールから水あふれる 建物外へ流出なし
東京電力によると、この地震の揺れにより福島第一原発の5号機と6号機で使用済み燃料プールから、少量の水が溢れたという。建屋外への流出は確認されておらず、周辺の放射線量を測るモニタリングポストの数値にも変化はないという。
一方、常磐自動車道・相馬IC~新地ICの区間で大規模な土砂崩れが発生した。
さらに、郡山市では地震後に住宅火災が発生。また、揺れによって住宅地ではブロック塀が崩れる被害などが確認された。
地震の概要
検知時刻(最初に地震を検知した時刻) 2月13日23時08分
発生時刻(地震が発生した時刻) 2月13日23時07分
マグニチュード 7.3(暫定値;速報値7.1から更新)
場所および深さ 福島県沖 深さ 55km(暫定値;速報値約60kmから更新)
緯度 北緯 37.7度 / 経度 東経 141.7度
発震機構 西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)
各地の震度
震度6強
宮城県 蔵王町
福島県 国見町、相馬市、新地町
震度6弱
宮城県 岩沼市、宮城川崎町、亘理町、山元町、登米市、石巻市
福島県 福島市、郡山市、須賀川市、福島伊達市、本宮市、桑折町、川俣町、天栄村、南相馬市、福島広野町、楢葉町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町
震度5強
宮城県 白石市、名取市、角田市、大河原町、村田町、柴田町、丸森町、栗原市、大崎市、涌谷町、宮城美里町、仙台青葉区、仙台宮城野区、仙台若林区、塩竈市、東松島市、松島町、七ヶ浜町、利府町、大郷町、大衡村
福島県 白河市、二本松市、田村市、大玉村、鏡石町、泉崎村、中島村、矢吹町、玉川村、浅川町、小野町、いわき市、富岡町、葛尾村、飯舘村、猪苗代町
栃木県 那須町、高根沢町
震度5弱
岩手県 矢巾町、一関市
宮城県 色麻町、宮城加美町、仙台太白区、仙台泉区、多賀城市、富谷市、大和町
山形県 上山市、中山町、米沢市、白鷹町
福島県 西郷村、棚倉町、矢祭町、石川町、平田村、古殿町、三春町、湯川村、会津美里町
茨城県 日立市、常陸太田市、笠間市、常陸大宮市、那珂市、城里町、東海村、土浦市、筑西市、鉾田市
栃木県 大田原市、那須烏山市、栃木那珂川町
埼玉県 加須市