まるで底なし沼…!大阪“カジノ建設予定地”「衝撃のユルユル地盤写真」スクープ公開

2025年大阪・関西万博の開催地でもある夢洲。重機が入り、ボーリング調査などを行っている 政治・経済

まるで底なし沼…!大阪“カジノ建設予定地”「衝撃のユルユル地盤写真」スクープ公開(FRIDAY 2023年2月6日)

「一歩踏み出しただけで、長靴がズボッとくるぶしまで地中に吸い込まれました。まるで底なし沼ですよ。杭も打てないようなユルユルの地盤なのは一目瞭然。ここにカジノやホテルを建設するなんて、到底無理ですよ」(工事関係者)

大阪府と大阪市が誘致を進めるIR(統合型リゾート)の建設予定地である大阪・夢洲(ゆめしま)。埋め立ててできた人工島であり、かねてから液状化や土壌汚染、地盤沈下の問題が指摘されていた

建設予定地の写真

冒頭の写真(上の写真)は、本誌が工事関係者から入手した建設予定地の写真だ。草や枝の混じった黄土色の土が沼地のようになっている。大阪府と大阪市は2029年秋から冬のIR開業を目指して区画整備を進めている。現場ではショベルカーや掘削クレーンなどの重機が稼働しているのだがーー。

「現場作業員からは『地盤や土壌にある程度の問題があることはわかっていたが、ここまで軟弱だとは……』『想定外のユルさ。こんな難しい現場は滅多にない』と悲鳴に近い声があがっています。大阪市はカジノ建設費に公費は使わないと主張していましたが、土壌汚染対策や液状化対策などに約790億円を投入することを決めました。ただ、実際にこの目で現場を見た印象は『とても790億円では済みそうにない』です」(同前)

建設予定地は関係者以外立ち入り禁止になっており、内情はブラックボックス化している。しかも市が投入する予定の790億円には「地盤沈下対策」が含まれていない。

大阪市港湾局の土地造成事業(大阪港埋立事業)実施状況説明資料によると、当該のエリアは浚渫(しゅんせつ)土砂や建築残土によって埋め立てられてできている。大阪IR基本構想には〈粘性土を主成分とする浚渫土砂等で埋立されており、液状化しにくい地盤〉という記述がある。浚渫土砂とは海や川の水底の土砂を掬って再処理したもので、より強固で安全な再利用方法の研究が進められているものの、やはり液状化などの懸念は拭えない。

そもそもIRの誘致自体がうまくいっていない。今年1月には、49万平方メートル(49ヘクタール)の土地が、1平方メートルあたり月額428円という格安の賃料で事業者に貸し出されることについて、住民監査請求されている。

大阪IRの認可は’22年内にはまとまらず、日本維新の会・馬場伸幸代表の「(’23年1月の)通常国会(開会)前に良い知らせが届く(認可が出される)だろう」という目論見も外れた。

大阪IR関係者が言う。

大阪市の幹部には『あの土地にIRを建設するのは無理筋だ』という向きが多い。ところが、松井一郎市長は聞く耳持たずで、地盤沈下対策にかかる追加費を試算しろとオーダーしています。ただ、現場の状況があまりにもひどく、ソロバンを弾くことすらできない」

大阪府のIR推進局に、現状を問い合わせた。

ーー液状化対策で790億円を見込んでいるが、具体的にはどのような工事を行うのか。

「具体的な対策については、IRの認可が下りてからになりますので、まだ決まっていません」

ーー地盤沈下対策についての費用が発生する可能性はあるのか。

「夢洲の性質上、地盤沈下が発生するリスクは認識しています。実際に起こった場合は、事業者(大阪IR株式会社)が適切に対処していくことになります。費用は事業者が負担することになり、大阪府や市が費用負担することはありません」

――現在夢洲で行っているのは?

「’25年開催予定の大阪万博を含めたインフラ整備をしています。IRに着工するのは認可が降りてからで、現在はボーリング調査などを行っています」

さらなる問題が噴出しないといいのだが……。