長井秀和が語る、創価学会芸能部「芸能人は客寄せパンダのような存在です」

左から、柴田理恵さん、久本雅美さん、岸本加世子さん 社会

長井秀和が語る、創価学会芸能部「芸能人は客寄せパンダのような存在です」(女性セブン 2022.12.01 07:00)

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「選挙の際、公明党の候補者の応援に駆けつけました。選挙カーの上に乗って街頭演説をしたこともあります。『間違いない!』と言うと、集まった人たちも喜んでくれました。私のように創価学会の『芸術部』に所属する芸能人は、いわゆる広告塔であり、客寄せパンダのような存在です。票を獲得するための活動も、信者の芸能人の大きな役割だったと思います」

そう話すのは、「間違いない!」のフレーズでブレークしたお笑い芸人の長井秀和氏(52才)だ。長井氏は両親が宗教団体「創価学会」の信者であり、いわゆる「宗教2世」。小学3年生のときに「創価系列」の小学校に編入して以来、大学まで系列を貫いた自称“創価エリート”だった。いまから10年前に脱会し、現在はこの12月の西東京市議選を見据えて政治活動を行っている。

いま、政治と宗教の関係が社会的関心を集めている。政権与党の公明党の支持母体が創価学会であることは、広く知られている。高額献金による家庭崩壊、宗教2世への虐待や人権侵害が問題視され、政府が被害者救済に向けた法案を今国会に提出する方針を固めた「旧統一教会」問題。その旧統一教会について、公明党の山口那津男代表は10月上旬、NHKのインタビューに「これは政治と宗教一般の問題ではない」とし、次のように語った。

「社会的なトラブルを抱えている団体と政治家とのかかわりが問題だ。健全な民主主義のプロセスを経て、政治活動や政治参加をしている宗教団体は数多くあり、それを政治と宗教一般の問題と捉えることは本質を誤る」

長井氏もかつて学会員として、公明党の政治活動に身を投じていた。所属していたのは、学会内に作られた「芸術部」という組織だった。

さまざまな職業に就く信者で構成される「文化本部」には、学術部、ドクター部、文芸部などがあり、それぞれ学識者や医師、作家などが所属する。その中で、芸術や芸能に携わる仕事をしている人が、芸術部のメンバーとして活動する。芸術部は1962年の結成から、今年でちょうど60周年を迎えた。

「芸術部には、いわゆる芸能人以外にも、伝統芸能や美術関連、それに裏方として働く人などが含まれます。要するに、『広く芸術分野の仕事をしている学会員』ということですね。詳しい総数は掴みにくい面もありますが、トータルで5000人くらいはいたはずです。その中で、テレビに出ているタレントや芸能人となると、ほんの数%です」(長井氏・以下同)

長井氏が、芸術部に所属していた自らの個人的な経験をもとに、その実情を語った(創価学会に芸術部の総数およびそれに占める芸能人の人数を聞いたが「公表しておりません」と回答)。

座談会は50回以上

芸術部が担う役割の中には、学会への信者の勧誘活動もあるという。

「学会では勧誘のことを『折伏』と呼びます。規模の大小はありますが、『折伏セミナー』『対話セミナー』というものが頻繁に開かれています。学会の理解者を広げ、会員拡大を目的にしたものです。そういったセミナーに顔が売れている芸能人が出てくれば、やはり人が集まりやすいですからね。動員のために芸術部は呼ばれるんです。

よく『芸術部は創価学会の華』と言われていました。表向きはほかの文化本部の部門と差異はないことになっていましたが、学会の集会を収めた記録映像を見ると、目立つポジションには芸術部の人間が映っていることが多い印象でした。やはり客寄せパンダのような存在であることは否めません」

実際に長井氏自身も参加を促されたことがあったという。

「大規模な集会もありましたし、個人宅でやるような十数人程度の座談会なら50回くらい参加しました。地方に行くこともありました。集会の場合は、まず各地区の支部から文化本部にリクエストがあるんです。そこから芸術部にオファーが来て……という流れです。座談会のような小さな集まりなら、芸術部を介さずオファーが個人的に届くこともありました。

それでも、私の活動量は大したものじゃありませんでしたよ。上には上がいると言いますか。岸本加世子さん(61才)や久本雅美さん(64才)、柴田理恵さん(63才)は、芸能界に入ってから入信したかたたちですが、熱心に活動していたので、芸術部の中で高い役職を得ていたようですね。

特に久本さんは芸能界でも売れっ子で多忙なのに、大規模なセミナーにも、個人宅の集まりにもマメに顔を出すんです。あまりにも出没するので、一時期“久本さん5人いる説”が流れたほどでした」

久本や岸本らは学会内でも「人間力」の高さで知られているようだ。実際、創価学会に確認すると、久本と岸本の現在の役職は、「いずれも芸術部女性部長」なのだという。一方、芸術部の存在は内向きにも効果を発揮する。

「創価大学と、その系列校の同窓会組織は『創友会』と呼ばれます。その会合への出席率はとても高いんですよ。理由は、現在の芸能界でトップの大物女優が参加するからです。一目会いたいという信者も多いのでしょう。創友会メンバーである時点で、かなり熱心な学会員ではありますが、そうした人たちの信心まで大物芸能人は盛り上げているんです」

※女性セブン2022年12月15日号