プログラミング言語を5種類に分類! それぞれの特徴やできることを解説

プログラミング言語を5種類に分類 科学・技術

プログラミング言語を5種類に分類! それぞれの特徴やできることを解説(男の隠れ家デジタル 2022.09.22)

プログラミング言語を用いて仕事をするITエンジニアやプログラマーなどは、デジタル化が進む昨今では将来性と需要が高い人気の職業だ。

実際に、新しく改定された学習指導要領においてプログラミング教育は必須科目になった。パソコンを使うスキルは、生活を豊かにするための重要なスキルなのだ。

とはいえ、プログラミングは一朝一夕ですぐに覚えられるほど簡単なものではない。

また、プログラミング言語は一説によれば200から300はあるとされているため、勉強しようにもどの言語を学べばいいかわからないと悩んでいる方は少なくないだろう。

そこで本記事では、プログラミング言語を大きく5種類に分類したうえで、それぞれの特徴やできることをわかりやすく紹介していく。

「学ぶべきプログラミング言語がわからない」「プログラミング言語の種類が知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧いただきたい。

プログラミング言語の数が多い理由

現在、プログラミング言語はある程度のユーザー数がいる言語だけに絞っても200から300はあるといわれている。派生言語も含めれば、軽く1000以上はあるとの予測もある程だ。

そのため、これからプログラミング言語を学ぼうと考える多くの方がまず躓くのが、“どのプログラミング言語を学べばいいかわからない”という問題だ。

そもそも何故、プログラミング言語は1つではなくこれだけの数があるのだろうか。

たとえば、1本の木を切るとする。短くて細い木ならノコギリ、綺麗に切るなら電動ノコギリ、大木ならチェーンソーといった具合に、目的により道具は変わるはずだ。

簡単に説明すると、プログラミング言語の数が多い理由もこれと同じである。

プログラミング言語は噛み砕いて説明すると“問題を解決するための道具”なので、ある領域では最適でも違う領域では機能できない場合があるのだ。

具体的には、有名なプログラミング言語である“Java”は大規模な開発に適しているが、小回りは効かない。そのため、ちょっとした処理を書くだけなら“PHP”が適している。

また、それぞれで違う特徴があるのも大きなポイントだ。“C言語”は他の言語と比較して実行速度が速いため、スピードが重視されるソフトウェア開発に最適だ。

適材適所でその領域に特化したプログラミング言語が日々生み出されているため、プログラミング言語は1つになることはなく、新しい言語が作られ続けているというわけだ。

プログラミング言語は大きく5種類に分類される

プログラミング言語を扱う仕事はWeb開発、アプリ開発、ゲーム開発、システム保守など多岐に渡るため、就きたい仕事により学ぶべきプログラミング言語は変わる。

膨大な種類があるプログラミング言語は、その特徴に合わせて5つに分類することが可能だ。

Web系
組み込み系
アプリ系
ソフトウェア系
その他

以下の項目では、それぞれのプログラミング言語の特徴やできることを詳しく解説する。

Web系の言語

Web系のプログラミング言語を使えば、ブラウザを通してアクセスするホームページを動作させることが可能だ。つまり、今あなたが見ているこのページでも使われている。

Web系のプログラミング言語を学べば“Webエンジニア”を目指すことができ、WebサイトやECサイトの設計や開発・コーディング・運用や保守が可能になる。

主なWeb系のプログラミングは以下の通りだ。

HTML
CSS

JavaScript
TypeScript

Python
Ruby

いずれも文法がシンプルで記述が少ないため、初心者にもおすすめのプログラミング言語であるとされている。まずはどれか1つを学び、派生している言語を学んでいこう。

この中でも特に重要なのが、Webサイトの文章を構造化する“HTML”だ。

Webエンジニアを目指す上では必須となる言語で、タグを用いることでコンピューターに対して文章を構造化するように指示を出すことができるようになる。

HTMLで構造化した要素は“CSS”で装飾することが可能だ。デザインの表現に特化したプログラミング言語ではあるが、Webサイト制作には不可欠なので覚えておいて損はないだろう。

他にも、Webサイトに動きを付ける“JavaScript”や、ECサイトやSNSを作ることもできる“PHP”など、さまざまな言語がある。

自分の進むべき道を明確にしたうえで、学ぶべきプログラミング言語を検討していこう。

組み込み系の言語

組み込み系のプログラミング言語とは、家電や産業用システムなどに内蔵されている組み込みシステムを開発する際に使用される言語を指している。

仕事としては“組み込みエンジニア”を目指すことができる。プログラマーは開発工程のプログラムを中心に担当し、組み込み機器の設計・開発・実装を任されることが多い。

主な組み込み系のプログラミング言語は以下の通りだ。

C言語
C++
Python

MicroPython

長きに渡り組み込み系のプログラミング言語として使われているのは、“C言語”とそこから派生した“C++”だ。

C言語はUNIX/Linux系システムで活用されており、高速動作とコード再利用性に優れている点から、多くの組み込みシステムに採用されている。

C++はオブジェクト指向の言語であるため、組み込みシステムを新規開発として作る場合は採用されるケースが多い。

他にも、オープンソースで読み書きの習得ができる“Python”や、マイクロコントローラー向けに最適された“MicroPython”も利用される場面が増えている。

組み込みシステムは制作時に多くの制約が求められるため、適合要件をクリアして稼働できる最適なプログラミング言語を採用したい。

アプリ系の言語

アプリ系のプログラミング言語とは、スマホやタブレット上で起動するアプリを開発する際に使われる言語を指している。

iOSではAppStore、AndroidではGoogle Play Storeにて公開されているアプリは、プログラミング言語を採用して作られている。

主なアプリ系のプログラミング言語は以下の通りだ。

HTML
CSS
JavaScript
Swift(iOS)
Objective-C(iOS)
Kotlin(Android)
Java(Android)

Web系言語でも紹介したが、アプリ開発でもHTML、CSS、JavaScriptの言語は欠かせない。

これらのプログラミング言語を覚えていなければ、アプリの基盤ともいえるデザイン面の作成ができなくなる。そのため、開発時には不可欠となる言語なのだ。

デザイン面ではなく、アプリの内部構造を開発するためのプログラミング言語は、iOSとAndroidのどちらでアプリを開発するかで変わってくる。

iOSのアプリ開発で使われる“Swift”は、2014年にApple社が開発したプログラミング言語だ。

Swiftを採用して作られた代表的なアプリにはメルカリなどがあるが、言語仕様が洗練されていて処理速度も高速化されているため、ネイティブアプリ開発では標準言語であるといえる。

Androidのアプリ開発で使われる“Kotlin”は、仮想マシンで動作するため過去のJavaのコードを共有しながら活用できるという大きな特徴がある。

日本の最大手SNSであるLINEもKotlinを採用して作られているため、最近になり特に高い注目を集めているプログラミング言語であるといえるだろう。

ソフトウェア系の言語

ソフトウェアやシステム開発を行う際に欠かせないのが、ソフトウェア系のプログラミング言語である。文字通り、ソフトウェアを開発する際に多く利用されている。

具体的には、WindowsやMacなどで起動できるExcelやWord、Internet ExplorerやGoogle Chromeなどのブラウザもソフトウェア言語が採用されて作られている。

主なソフトウェア系のプログラミング言語は以下の通りだ。

PHP
JavaScript
Python
Go言語
Java

C++
C#

当然ながら開発したいソフトウェアの種類により異なるが、一般的には上記で紹介したプログラミング言語が採用されている。

特に、応用力が高くシンプルなコードと柔軟性が特徴の“PHP”は、多くの開発環境で採用されているためおすすめだ。

他には、Google社で開発された“Go言語”も、言語体系がシンプルで速度が速いため、複数の機能を組み合わせて動かしたい時などに向いている。

その他の言語(IoT、VR、AIなど)

上記で紹介した4つ以外にも、プログラミング言語にはIoT系、VR系、AI系など、さまざまな種類に分類されている。イメージとしては、最先端技術と考えてもらえるといいだろう。

プログラミング初心者が、いきなりAIやVRを開発するというのは少々無謀ではあるが、今後の知識としてどのようなプログラミング言語が採用されているかを紹介する。

IoT系⇒Python、Java、アセンブリ言語、C言語
VR系⇒Java Script、BluePrint、Ruby、コンパイラ言語
AI系⇒Python、Julia、R言語、Haskell

よく見かけるものから見たことがない言語まであり、それぞれで複雑なコードを組み合わせて作成する必要があるため、習得難易度は極めて高いといえる。

たとえば、AI開発で必要となる“R言語”は習得難易度が極めて高く、統計学やデータサイエンスへの造詣が必要となる。

とはいえ、AI開発の分野では世界的に流行している“Python”が最も適しているといわれているため、開発に取り組みやすくなる言語をまずは覚えるというのも手だ。

まとめ

プログラミング言語を大きく5種類に分類したうえで、それぞれの特徴やできることを詳しく紹介してきたが参考になっただろうか。

プログラミングを学びたいと考える方がまず躓くのは、どのプログラミング言語を選べばいいのかという問題だ。

その問題を解決する鍵を握るのは、自分がどうなりたいのか、自分が何を開発したいのかを具体的に可視化すること。そのためには、プログラミングで何ができるかを知ることが重要だ。

上記では大きく5種類にプログラミング言語を分類したが、さらに細かく分けることができる。それくらいプログラミング言語は種類が多く、特化している分野がさまざまなのである。

自分がどうなりたいかを考えたうえで、適したプログラミング言語を選択しよう。