チベットは、かつては独立国でしたが、1951年に中国人民解放軍による侵攻を受け、チベット自治区として、中国の一部に組み込まれました。独立を掲げてダライ・ラマが奮闘しましたが、現在はインドに亡命中です。近年は宗教や思想信条を理由にチベット族が不当に逮捕され、拷問を受けたりする事件が多発しています。
中国の新疆ウイグル自治区には大勢のイスラム教徒(主にウイグル人)が住んでいますが、中国共産党の「再教育」キャンプに強制収容されています。
中国北部の内モンゴル自治区政府は、2020年9月に始まる新年度から小中学校でのモンゴル語による授業を大幅に減らし、語文(国語)、政治(道徳)、歴史の3教科が、標準中国語で教えられることになったと発表しました。「言語を失えば、民族のアイデンティティーを失う」として、抗議するモンゴル族の人々に対して、拘束・逮捕が相次いでいます。
香港は英国から中国に返還され、「一国二制度」の下で一定の言論の自由が認められて来ましたが、中国政府は、香港での反体制的な言動を取り締まる「国家安全法制」を導入し、民主活動家を逮捕・拘束しています。