野党の支持率は何故上がらないのか

政党支持率 政治・経済

菅義偉政権には失望。それでも野党の支持率が上がらない理由(HUFFPOST 2021年09月15日 08時08分 JST)より抜粋

自民党総裁選に世間の関心が集まるなか、立憲民主と共産、社民、れいわ新選組の野党4党は共通政策に合意し、次期衆院選での共闘(選挙協力)に大きく踏み出した。

しかし、朝日新聞の9月の世論調査では、野党第1党の立憲の支持率は5%と、自民の7分の1に満たない。菅義偉政権への失望が広がる一方で、野党の支持率が上がらないのはなぜなのか。

『「野党」論』の著者で先進国の政治に詳しい吉田徹・同志社大教授に、その理由を聞いた。

野党候補の一本化は進むが…

今回の合意を機に、候補者の一本化が進むと見られている。吉田教授は共闘の必要性を認める一方で、今回合意した共通政策の中身について、厳しい見方を示した。

「これまでの自民党政権の政策の批判が主で、反自民の支持を固めるためのものでしかない。多くの有権者が争点として重視する景気や雇用対策、マクロ経済政策(財政政策、金融政策)はどうするのか」

「それらを示したうえで、自民党とは違う国家や社会をつくるために野党は共闘するのだと説明しなければ、『単なる選挙互助会』と批判されるだろう」

なぜ野党の支持率は上がらないのか?

吉田氏は、憲法や安全保障問題を重視する確固たる左派層を「岩盤リベラル」と呼ぶ。今回の共通政策は、岩盤リベラルが実現を求めている内容で、そこに偏重した立憲の姿勢が支持拡大を妨げていると指摘する。

「立憲は『岩盤リベラル』にあまりに忠実すぎて、そこからウィングを中道の『無党派』に広げられないのが弱点だ。夫婦別姓やLGBTQなどリベラルな論点は訴求力は高いが、幅広い有権者に浸透しにくい」

「立憲は(中道向けの)マクロ経済政策を打ち出してこなかった。リベラルと中道に橋を架けることこそ政治の役割なのに、岩盤リベラルに寄りかかった政党、という以上の存在感を示せていない」

民主党政権の「負の遺産」

旧民主勢力である立憲には、2009年に誕生し、内部崩壊で行き詰まった民主党政権の「負のイメージ」がつきまとう。政権担当能力を訴えるには、党内ガバナンスの構築が問われることになる。

「自民のような保守政党はリーダーの『権威』を認める文化を持っていて、親分の言うことには従う。対する左派政党は平等主義、個人主義的な文化を持ち、組織の統率が効かないことがある」

「立憲の枝野幸男代表のトップダウン的な統制は、党が取り込んでいる民意の幅が狭いから成り立っているが、民主党政権のように党が大きくなれば通用しなくなるだろう」

若者からの支持は?

若年層の取り込みも、20~30代の支持率が高かった安倍政権と比べ、立憲はうまくいっているとは言い難いという。

「岩盤リベラルは憲法など1960年~70年代の対立軸をそのまま大事にしているが、若年層は同じ目線で政治を見ていない。雇用や賃金、教育、生きづらさなど、もっと目先の問題に関心がある」

「『明日は今日より良くなる』時代だった中高年と異なり、若年層は『明日は今日より悪くなる』前提のなかで生きている。若者にアピールする政策は、自ずと違ってくるはずだ」

投票率より「なぜ投票するか」が大事

その若年層は、日本の将来を担うと言われながら、他の世代に比べて投票率は低い。若者たちは、どういう意識を持って選挙にのぞんだらいいのか、吉田氏に尋ねた。

「こういう社会を実現したいという思いがなければ、投票の意味はない。どうして、なぜ投票するかが大事だ」

「民主主義では仲間や集団を作らないと、求める政策は実現しない。周りを説得したり、候補者に働きかけたり、自分たちで候補者を擁立するくらいの行動をとってもいい。そして、そういう取り組みを、上の世代の人たちが応援してあげることが大切だ」