自公の過半数微妙、立民と国民は堅調…参院選序盤情勢
自公の過半数微妙、立民と国民は堅調…参院選序盤情勢(読売新聞 2025/07/04 23:30)
読売新聞社は20日投開票の参院選について、3、4の両日、電話とインターネットによる調査を実施し、全国の総支局などの取材を加味して序盤の情勢を探った。自民党は選挙区選で苦戦を強いられ、獲得議席が40程度にとどまる可能性がある。公明党との合計でも50議席前後で、与党で過半数(125議席)を維持できるかどうかは微妙な情勢だ。
参政は議席増
今回の選挙戦は、自公両党の与党が50議席以上を確保して参院の過半数を維持できるかどうかが最大の焦点となる。

自民は、全体の勝敗を左右する改選定数1の「1人区」のうち、固い保守地盤の石川、福井、鳥取・島根、山口などで優勢だが、東北や四国、九州で野党系候補に後れを取っている。複数区では、茨城、静岡など「2人区」で1議席ずつ確保できる可能性がある。改選定数が3以上の選挙区では、当落線上の候補者が複数いて、混戦となっている。
公明も候補者を擁立した複数区のうち、埼玉、神奈川、大阪、兵庫が接戦で、予断を許さない状況だ。比例選も伸び悩んでおり、改選14議席から減らす可能性がある。
立憲民主党は長野や三重、大分などの1人区でリードし、北海道、埼玉、千葉、神奈川などの複数区でも優位に立つ。比例選も前回選の7議席と並ぶ水準で、堅調な戦いぶりだ。
国民民主党は玉木代表の地元の香川で優勢となり、複数区の静岡、愛知で優位に戦いを進めている。比例選も好調で、公示前勢力を倍増させる勢いだ。
参政党は東京選挙区で議席を獲得する可能性があり、比例選でも数議席を確保して躍進することが見込まれる。
日本維新の会や共産党、れいわ新選組は候補者を擁立した複数区で激しく競り合っている。日本保守党は参院初の議席を比例選で獲得しそうだ。
社民党のほか、諸派の「再生の道」とNHK党も議席獲得の可能性がある。
今回の参院選は125議席が争われ、選挙区選(75議席)に350人、比例選(50議席)に172人の、計522人が立候補した。
調査は電話とインターネットで実施し、計14万537人から回答を得た。一定数の回答者が投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢はなお流動的な要素がある。
比例選の序盤情勢…自民大幅減の見通し、国民・参政に勢い【参院選2025】
比例選の序盤情勢…自民大幅減の見通し、国民・参政に勢い【参院選2025】(読売新聞 2025/07/05 05:10)
読売新聞社が実施した参院選の序盤情勢調査によると、比例選(改選定数50)では、自民党が前回2022年の18議席から大幅に減らす可能性がある。野党では、立憲民主党が前回選並みの議席を確保する見通しで、国民民主、参政両党は躍進する勢いだ。(傍田光路、三沢大樹)
「拍手喝采してもらえなくても、最後までこの国の将来に責任を持って全身全霊で選挙を戦い抜く」。石破首相(自民総裁)は4日、石川県輪島市の街頭演説で選挙情勢の厳しさをにじませつつ、支持を訴えた。
自民は比例選での第1党は維持する見通しだが、過去最低だった10年の12議席と同程度に落ち込む可能性がある。自民支持層の7割強を固めたものの、内閣支持層の5割弱しか固められていない。
公明党は前回選で獲得した6議席目に届くかどうかは微妙な情勢だ。選挙区選と比例選による選挙制度になった1983年以降、公明は6議席を下回ったことがなく、5議席に落ち込めば過去最低となる。
自公両党は、衆院に続いて参院でも少数与党に追い込まれれば、政権運営はさらに困難さを増す恐れがある。自民幹部は「首相の発信が不十分で保守票が逃げている」と頭を抱える。

野党各党は、比例選でも政権批判票の受け皿になろうと、政権の政治姿勢を徹底追及する構えだ。
立民は6~9議席の見通しで、前回選の7議席に並ぶ水準だ。もっとも、内閣不支持層の取り込みは1割強にとどまっている。野田代表は4日、熊本市での街頭演説でガソリン税の暫定税率に関し「課税の根拠を失っており廃止が当たり前だ。ところが自民が邪魔をしている」と攻撃した。
一方、存在感を増しているのが参政だ。4~9議席が見込まれ、前回選の1議席から大幅増となる。重視する政策に「外交や安全保障」「憲法改正」を挙げた人からの支持は、いずれも自民に次いで多く、保守票の受け皿となっている可能性がある。
昨年の衆院選で躍進した国民民主は、前回参院選の3議席から倍増させる勢いで、さらに積み増す可能性がある。若年層からの支持がトップで、18~39歳で2割強に上った。
れいわ新選組は2~4議席の見込みで、前回選(2議席)からの積み増しが視野に入る。日本維新の会は前回選から半減して2~4議席になりそうだ。
共産党は前回選(3議席)と同水準の2~4議席が見込まれる。日本保守党は複数議席をうかがう。社民党は1議席を死守できるかどうかが焦点で、諸派では再生の道が議席獲得の可能性がある。
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