各選挙区情勢 2025参院選(時事通信 2025年05月01日07時22分配信)
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比例代表情勢 2025参院選
◇自民、2議席死守目指す=北海道
自民の現職2人と立民の現職に共産、国民、れいわ、参政、保守の新人が挑む構図。自民は高橋と岩本の2議席死守を目指す。高橋は知事経験者として道内で圧倒的な知名度を誇るが、派閥裏金事件への関与が不安材料。岩本は有権者への浸透が課題で、高橋との組織票割り振りも焦点となる。
立民は勝部の再選に全力を挙げる。一時は勝部に続く2人目の擁立に向け国民と調整してきたが、折り合わなかった。国民は会社役員の鈴木を立て、支持団体の連合北海道が推薦した。共産宮内、れいわ野村、参政田中、保守小野寺も出馬する。
◇自民現職に立・共など新人=青森
3選を期す自民現職滝沢に立民、共産、参政などの新人が挑戦する構図。「政治とカネ」の問題で逆風を受ける滝沢は地元会合に、所属する麻生派会長の麻生太郎党最高顧問を呼ぶなど組織固めに躍起。立民新人福士は知名度向上が課題だ。参院青森での擁立は13年以来となる共産の新人荻野は、若年層をターゲットに支持拡大を図る。参政も新人加藤を立てた。
◇立民現職と自民元職が再戦=岩手
立民現職の横沢と自民元職の平野の争いが軸となる。立民は野党共闘を目指し、共産と社民が横沢の支援を検討。ただ、国民は独自候補の擁立も視野に入れており、一本化が実現できるかは不透明だ。元復興相の平野は19年参院選で横沢に敗れており雪辱を期す。参政新人の及川も出馬する。
◇1議席巡り自・立対決=宮城
再選を目指す立民現職の石垣に、元県議会議長で自民新人の石川が挑む。元アナウンサーの石垣は知名度が武器。共産は、立民から打診があれば石垣の支援に回る見通しだ。石川は6回当選した県議時代の実績をアピールして浸透を図る。維新は独自候補の擁立を模索している。参政の新人も立つ。
◇野党共闘が焦点=秋田
現職寺田が無所属で立候補を表明した。立民、国民が支援に回る見通しだ。維新と共産は対応を検討中で、野党共闘が実現するかが焦点となる。自民は元職中泉を擁立。組織固めを急ぐが、4月の県知事選が保守分裂選挙となった影響で、県連内がまとまれるか不透明な状況。参政は新人で元教員の佐藤を立てる。
◇野党系現職に自民挑戦=山形
立民、国民の支援を受ける無所属現職の芳賀は、知名度を生かして再選を目指す。自民は22年参院選で敗れた元県議の新人大内を擁立。公明が推薦する。立民との共闘協議が折り合わなかった共産は新人三井寺を独自に立てた。参政は新人佐藤が出馬する。
◇立国社が一本化=福島
4選を目指す自民現職の森と、立民新人の元衆院議員石原の争いが軸となる。森は「政治とカネ」問題に危機感を募らせ、後援会を新たに設立するなど支持基盤強化を急ぐ。国民、社民は立民と候補一本化で合意。石原は与党への批判を追い風に政治改革の必要性を訴える。野党間の共闘協議が難航していた共産は新人小山田を擁立。参政は新人大山を立てた。
◇自・立現職、議席維持期す=茨城
自民現職上月と立民現職小沼が議席維持を期す。公明が推薦する上月は19年参院選で獲得した約50万票を上回る得票を目標に据え、各種業界団体の引き締めに懸命。再選を目指す小沼は連合茨城の推薦を得た。独自候補を見送った国民は小沼に事実上一本化する。昨年の衆院選で立民、国民両党が得た比例票約37万票を超える得票を掲げる。維新は擁立作業が難航している。共産新人高橋は教育福祉の充実を、参政新人桜井は農家の後継者不足解消をそれぞれ訴え、浸透を図る。
◇自民現職に立民挑む=栃木
自民は現職高橋の擁立を昨年7月に決めた。公明の推薦を得て、3選を目指す。保守地盤を生かし組織票固めに注力するが、「政治とカネ」の問題を巡る逆風などが大きな懸念材料だ。立民が新人板津の擁立を決定したのは3月。出遅れた印象は否めず、陣営はSNSなどを活用して浸透に懸命だ。連合栃木が支援する。維新、共産、国民は擁立作業が難航している。
◇自・立が1議席争う=群馬
改選1議席を自民現職清水と立民新人河村らが争う。再選を目指す清水は公明の推薦を得た。保守地盤を生かして組織票固めに注力するが、「政治とカネ」の問題を巡る逆風に危機感は強い。河村は連合群馬の推薦を受ける。児童相談所に寄付する「タイガーマスク運動」の先駆者で、社会福祉充実を訴え浸透を図る。共産は新人高橋、参政は新人青木を立てた。
◇4議席に現新6人=埼玉
改選4議席を自民、立民、公明、共産の現職4人と国民、参政の新人2人が争う。自民古川は4選、公明矢倉は3選を目指すが、「政治とカネ」の問題などを巡る逆風が、大きな懸念材料となっている。立民熊谷、共産伊藤も再選を狙う。いずれも組織固めに全力を挙げるなど、議席維持に懸命だ。
国民は県議の江原を擁立。堅調な政党支持率を生かして浸透を図る。参政は元飯能市議の大津を立てた。各候補ともSNSを活用するなど、若年層の取り込みにも注力。維新も独自候補を模索している。
◇自民、2議席狙う=千葉
改選3議席を7人が争う。自民は石井と豊田の現職2人を擁立。いずれも公明の推薦を受け、2議席維持を狙う。保守地盤を生かして組織固めを進めるが、「政治とカネ」の問題を巡る逆風に危機感も募らせる。
立民は野田佳彦代表のお膝元でもあり、現職長浜の議席死守が至上命令。国民は新人小林が若年層や子育て世帯を中心に浸透を目指す。連合千葉は立民、国民双方の推薦を決めたが、票の分散が懸念材料だ。
共産は新人白石、参政は新人中谷を立てた。維新とれいわも擁立の可能性を探っている。
◇7議席争奪、自立国が複数擁立=東京
改選6議席に非改選1議席の補充を加えた「合併選挙」となる。複数議席獲得を目指す立民、国民は2人を擁立し、自民も2人目の選定を急いでいる。他党も擁立作業を進めており、計7議席を巡る激しい争奪戦が展開される見通しだ。
13年参院選から2議席確保が続く自民は現職武見を公認した。焦点は先の衆院選に挑戦した丸川珠代元五輪担当相の後継候補。都連は組織戦重視の武見に対し、浮動票獲得を狙える若手や女性の擁立を目指しているが、人選に手間取っている。
立民は塩村と奥村の現職2人を擁立。活動エリアを分け、初の複数議席を目指す。首都で初の議席を狙う国民は、衆院選や地方選での好調を踏まえ、牛田と奥村の新人2人を立てた。
公明は新人川村を公認し、選挙区での出馬を見送る山口那津男元代表が守ってきた議席の死守に全力を挙げる。共産は現職吉良が3選を目指す。社民の新人西も参戦する。
昨年の都知事選で次点だった石丸伸二氏が率いる地域政党「再生の道」は国政政党を目指し、新人吉田を擁立した。維新、れいわも候補者選定に本腰を入れる。
◇4議席に10人超の激戦=神奈川
改選4議席を与野党9党などの10人超が争う激戦。自民は6年前に当選した現職の死去を受け、後継候補に元神奈川県局長の新人脇を選んだ。公明は現職佐々木を擁立し、自民の推薦を受ける。
立民は牧山と水野の現職2人を立てた。共倒れを懸念する県連は一本化を求めていたが、党本部が押し切る形で公認を決めた。国民は元農水省職員の新人籠島を擁立。連合は籠島を推薦する一方、立民の2人は支持にとどめる。
過去2回議席を得ている維新は新人千葉を立てた。共産浅賀、れいわ三好、社民金子、参政初鹿野はいずれも新人。さらに諸派新人も出馬を模索している。
◇自民、元五輪選手を擁立=新潟
女性候補3人が立候補を予定している。立民の現職打越に対し、自民は元五輪競泳選手の新人中村を擁立。打越は19年参院選に野党統一候補として無所属で出馬し、立民、共産、国民、社民の推薦を受けた。今回は立民の公認で再選を目指す。共産が自主支援する。公明は中村を推薦。参政は新人平井を立てた。
◇自民結束がカギ=富山
3選を目指す自民堂故に、共産、国民、参政の3新人が挑む構図。堂故が72歳と高齢であることを理由に県連内では差し替え論もくすぶった。陣営が結束できるかが課題だ。国民は新人で元アナウンサーの庭田を擁立。独自候補の擁立を断念した立民は庭田を支援する方向だ。連合も庭田を推薦する。共産は新人坂本を、参政は新人田保を立てた。公明は堂故を推薦する。
◇野党の調整難航=石川
自民は現職宮本が4選を目指す。能登半島地震からの復興を訴え、組織固めに注力する。派閥裏金事件に関与したが、公明から推薦が出た。これに対し、野党は候補者調整が難航。立民と国民は一本化を目指して協議を続けるものの、国民は好調な政党支持率を追い風に独自候補擁立を視野に入れる。共産も独自候補の擁立を目指す。参政は新人牧野を立てた。
◇野党5人が乱立=福井
3選を目指す自民滝波に、立民、共産、国民、参政、保守がそれぞれ新人を立てる乱立模様。立民は藤原を野党統一候補とすることを目指してきたが、国民は4月に山中を擁立し、折り合わなかった。両党を支持する連合福井は事実上の自主投票を決めた。共産は山田、参政は千田、保守は大坂を擁立した。
◇立・国の一本化不透明=山梨
自民森屋が3選を目指し、共産、国民、参政の新人が挑む構図。立民は甲府市議を一時擁立するも体調不良を理由に取り下げ、候補者選定を続ける。国民は元県知事で新人の後藤を擁立し、立民の支援を期待する。ただ、22年参院選の比例代表に維新から出馬したことから立民内で反発があり、一本化は不透明だ。共産は早田、参政は永田を立てた。
◇立民現職に自民新人挑む=長野
非改選も含め立民が議席を独占している。立民現職羽田は、実兄の雄一郎元国土交通相の死去に伴う21年補欠選挙で初当選。地盤を固めて再選を目指す。昨年の衆院選の県内5小選挙区で2勝3敗と負け越した自民は、公募で元外務省職員の新人藤田の擁立を決定。県連初の女性候補で刷新感を武器に浸透を図る。参政は新人竹下が出馬予定。
◇与野党5新人が出馬=岐阜
派閥裏金事件で自民を離党した現職大野が改選を迎えるが、立候補するか態度を明らかにしていない。自民は公募で県議の新人若井を擁立し、公明の推薦を得た。立民は国民と調整して労組役員の新人服部を擁立。維新は元衆院議員の新人山田が出馬。共産の新人三尾、参政新人の瀬尾も参戦する。
◇連続当選期す2現職=静岡
改選2議席を巡り、自民、国民の現職2人と共産、参政などの新人候補が争う。自民牧野と国民榛葉が過去3回の選挙で議席を分け合ってきた。戦績は牧野が2勝1敗と勝ち越しているが、国民は前回衆院選の県内小選挙区で議席を初めて獲得。3月の静岡市議選でも擁立した公認候補2人がトップ当選するなど勢いが続く。立民県連は国民との競合を避け、独自候補の擁立を見送る方針。共産は新人鈴木、参政は新人松下が出馬予定。維新は擁立作業が難航している。
◇自公立国、「指定席」維持狙う=愛知
22年参院選は自民、公明、立民、国民4党が議席を分け合った。これに共産、れいわ、社民、参政の4新人が参戦。自民現職酒井は派閥裏金事件で差し替えを求める声も出たが公認を取り付けた。公明現職安江、立民現職田島は議席維持が至上命令。国民は昨年11月の名古屋市長選出馬のため辞職した大塚耕平氏の後任に新人水野を擁立。連合愛知の推薦を受け議席確保に全力を挙げる。共産須山、れいわ辻、社民大西、参政杉本も出馬する。昨年衆院選の比例代表東海ブロックではれいわが自民、立民、国民、公明に次ぐ票を得ている。河村たかし衆院議員が共同代表を務める保守も候補者選びを急ぐ。
◇自・立の女性候補が激突=三重
女性候補3人が争う構図。3選を目指す自民の現職吉川は、派閥裏金事件への関与で揺らいだ支持基盤の立て直しを急ぐ。立民は、同じく連合三重の支援を受ける国民などと調整し、元県議の新人小島を擁立。党重鎮の岡田克也氏のお膝元で、改選・非改選とも議席ゼロの現状から失地回復を狙う。参政は新人難波を立てる。
◇立・国、一本化へ調整=滋賀
維新現職が比例転出を表明し、改選1議席に新人6人が乱立。自民は公募で元守山市長の宮本を立て、公明の推薦も得た。立民は県議の佐口、国民は中小企業診断士の堀江を擁立。ただ、両党は自民批判票の分散を避けるため、連合滋賀を中心に候補者の一本化に向けた調整を続けている。維新は元新聞記者の岡屋が出馬。共産佐藤と参政中田も議席獲得を目指す。
◇与野党6人で争う混戦=京都
自民、共産の両現職と立民、維新、れいわ、参政の4新人が改選2議席を争う混戦。4選を目指す自民西田は党への逆風を受け、地方議員の支持固めに懸命。立民は元衆院議員の新人山本を擁立。代表経験者の泉健太氏ら地元選出議員と浸透に励む。維新は元アナウンサーの新人新実を立てる。知名度を生かし、初の議席獲得を狙う。3回目の当選を期す共産倉林は無党派層への浸透に躍起だ。れいわは西郷、参政は安達と、いずれも新人を擁立して参戦。国民も独自候補の擁立を検討している。
◇維新2議席確保が焦点=大阪
改選4議席を維新2、自民1、公明1で分け合う結果が16年から3回続き、今回も維新が2議席を確保できるかが焦点。維新は党内で予備選を実施し、いずれも新人で大阪市議の岡崎、佐々木で決まった。党勢の陰りも指摘される中、均等な「票割り」ができるかが課題だ。公明は現職杉を立て、府内4選挙区で全敗した昨年衆院選の雪辱を狙う。自民は現職太田が3選出馬に意欲を示すものの、府連内で差し替え論もくすぶり公認は決まっていない。
立民は弁護士の新人橋口を立てる。国民は元維新衆院議員の擁立を一時模索したが、党内や連合の反発を受けて改めて人選中。共産は元衆院議員の清水が立候補する。
◇元明石市長ら出馬で混戦=兵庫
16年から3回の選挙は自民、公明、維新が改選3議席を分け合ってきたが、知名度のある元明石市長の新人泉の出馬表明とその後の経緯で混戦模様となってきた。泉は当初、無所属で立候補し立民と国民の支援を受ける方向だったが、3月の出馬会見で「魅力的な政党がない」などと発言したことを問題視した国民が元経済産業省職員の新人多田を立てた。立民は態度を決めていない。自民加田、公明高橋の両現職は再選を目指すが、派閥裏金事件でイメージ悪化を懸念する声が双方にある。維新は昨年の県知事選出馬に伴い失職した元職の後継として新人吉平を擁立。共産、れいわ、参政、諸派の新人も出馬する。
◇野党5新人が乱立=奈良
自民の現職堀井が3選を目指すのに対し、野党側は新人5人が乱立。立民は昨年の衆院選に落選した会社役員の川戸を、維新は医師の平を、国民は元大和郡山市議の杉本を擁立する。維新は野党候補一本化を主張し、連合も立民と国民に調整を要請するが、国民側が難色を示し、実現は見通せない。共産と参政も擁立を決めた。
◇自民再び分裂選挙へ=和歌山
衆院選に続いて保守分裂選挙となる見通しだ。自民元幹事長の三男の新人二階は党の公認を得て、衆院和歌山2区で世耕弘成氏に敗れた雪辱を期す。これに対し、世耕派の元有田市長、新人望月が無所属での出馬を表明した。漁夫の利を得たい野党内では、立民新人村上、維新新人浦平の一本化を探る動きが出ているが、調整のめどは立っていない。
◇立民、保守地盤で人選難航=鳥取・島根
自民は現職を比例代表の「特定枠」に転出させ、元島根県議の新人出川を公募で選んだ。鳥取は石破茂首相のお膝元であり、議席維持に全力を挙げる。16年の合区導入以降、自民が3連勝している保守地盤で、立民は人選が難航している。共産は新人亀谷、参政は新人倉井をそれぞれ立てた。
◇自・立の新人ぶつかる=岡山
自民や立民の新人が争う構図になる見込みだ。自民は引退を表明した現職に代えて元県議の小林、立民は元衆院議員秘書の国友を擁立。自民は13年以降4連勝してきたが、派閥裏金事件などによる逆風で危機感を募らせている。参政は新人の広森が出馬。維新と国民は擁立を模索するが難航している。共産は野党各党の対応を見極めながら判断する。
◇立民一本化で共倒れ回避=広島
改選2議席を独占している立民は共倒れを避けるため候補を森本に一本化。大規模買収事件を受けた21年再選挙で当選した宮口治子氏は公認を得られず離党した。自民は再選挙で惜敗した元経済産業省職員の新人西田が再挑戦。陣営は石破茂首相に続き広島選出の岸田文雄前首相にも「商品券配布」問題が発覚したことで「政治とカネ」の再争点化を警戒しつつ、「トランプ関税」対策など強みの経済政策でアピールする。共産は新人高見、参政は新人小石を擁立する。
◇野党乱立の兆し=山口
自民現職の北村は保守地盤を生かして組織選挙を展開する方針。選挙区では21年の補選に続いて2度目の当選を目指す。一方の野党側は乱立の兆しが見られる。国民は公募で元教員の新人関谷を擁立。連合山口は立民と国民に一本化を働き掛けているが、立民は候補者擁立の調整を進めている。共産も独自候補を立てる構えを崩さず、参政は新人山崎が出馬する予定。
◇事実上の野党共闘=徳島・高知
衆院議員経験もある野党系無所属の広田が参院で通算4回目の当選を目指す。立民と国民が支援し、共産も擁立を見送ったことから、事実上の野党共闘が成立。自民は元高知県議で新人の大石を擁立し、公明の推薦を得た。徳島県内での活動量も増やし、知名度アップを図る。比例代表の「特定枠」には徳島側から元衆院議員を選んだ。参政は新人金城を立てる。
◇国民お膝元で自民と対決=香川
国民は玉木雄一郎代表のお膝元に元証券会社役員で地元出身の新人原田を擁立。知名度不足を党への追い風で補い議席獲得を目指す。自民現職三宅は3選に向け懸命。3年前は野党候補が乱立し、自民が抜け出たが、今回は立民が独自候補の擁立を見送り、自民、国民を軸とした戦いとなる見込み。参政は新人小林を立て、共産も擁立を模索する。
◇野党系現職に自民新人挑む=愛媛
野党統一候補として19年参院選を制した無所属の現職永江が、再選を目指して県内各地でミニ集会を重ねる。立民、国民など野党各党は態度を明らかにしていないが、擁立に向けた具体的な動きは見られない。自民は公募で新人上野を擁立。5月に被選挙権年齢の30歳に達する清新さをアピールする。参政の新人原田も立つ。
◇与野党9人の激戦=福岡
改選3議席を与野党9人が争う混戦。22年は自民、立民、公明が分け合った。今回も自立公の現職が議席を死守するか、国民などの新人が割り込むかが焦点だ。
自民松山は党参院幹事長のため、県連幹部は十分に地元入りできない事態も想定。組織力を生かして「トップ当選させる」と必勝を期す。立民野田は地方議員と連携して支持拡大を狙う。公明下野は自民の推薦を受けて再選を目指す。
党勢拡大を図る国民は元会社員の川元を擁立。維新は元議員秘書の伊藤が出馬する。共産は元福岡市議の山口、社民は那須、参政は中田、保守は森をそれぞれ立てる。
◇事実上の自・立一騎打ち=佐賀
自民と立民による事実上の一騎打ちとなる見通し。自民は現職山下が3選を目指して出馬する。県立大学予算への対応をきっかけに県議会の会派が分裂したばかりで、県連の結束が課題。公明は推薦を出す方向だ。立民は自治労出身の元佐賀市議で新人の富永を立て、議席奪取を狙う。維新、国民は独自候補の擁立を見送る。参政と諸派の新人も立つ。
◇国民新人、議席狙う=長崎
自民現職古賀が3選を目指す。公認決定を巡り県議との争いとなり、県連レベルでは一本化できず党本部に最終決定を委ねた。県連が一枚岩になれるかが課題。前回衆院選の勢いを維持する国民は県議の新人深堀を擁立。支援を期待する立民、社民とは協定を結んだが、共産は新人筒井を立てたため、野党共闘は成立していない。参政は新人黒石を擁立した。
◇野党、候補者選びが難航=熊本
自民は現職馬場が3選に向けて組織固めに注力する。公明の推薦も得た。立民と国民は個別に、昨年まで維新所属の衆院議員だった元県副知事の擁立を模索したが、いずれも条件などが折り合えずに断念。立民は引き続き、国民や維新などに呼び掛ける形で野党共闘の実現を目指すが、肝心の候補者選びは難航している。参政は新人山口を擁立した。
◇野党共闘再現で雪辱期す=大分
再選を目指す自民現職白坂に、立民元職吉田が再び挑む。与野党一騎打ちとなった23年の補欠選挙は竹田市出身の白坂が341票の僅差で競り勝った。吉田は今回も連合大分や社民、国民の支援を受ける。共産も政策協議で合意すれば独自候補を見送る方向で、候補者を一本化する「野党共闘」の再現で雪辱を期す。参政も新人野中を擁立する。
◇野党、一本化を模索=宮崎
自民は旧安倍派に所属してきた現職長峯の公認を決定。立民は対抗馬として元県議の新人山内を立てる。野党候補は22年参院選で乱立したが、今回は立民、国民、社民が一本化方針を確認している。共産は独自候補の擁立を見送るかどうかを慎重に判断。維新は候補者を準備しつつ、野党候補の統一に向けた「予備選」を呼び掛ける。参政は新人滋井を立てた。
◇自民現職三女を立民推薦=鹿児島
自民は現職が不出馬を表明し、後継候補に元職の園田を決めた。現職の三女で無所属新人の尾辻も出馬を表明し、立民が推薦する。尾辻が自民の公募に漏れて立民に入党した経緯から、社民は推薦の是非に揺れる。国民は推薦を見送る見通しで、共産は独自候補の擁立を目指している。参政は新人牧野を立てる。
◇現職不出馬で新人対決=沖縄
立民、共産、社民などで構成する「オール沖縄」勢力の支援を受けた無所属現職が不出馬を表明。1議席を新人4人が争う。オール沖縄は大学教授の高良を後継に推す。15年ぶりの勝利を狙う自民は元那覇市議の奥間を擁立。参政は大学名誉教授の和田を立て、れいわも独自候補を模索している。
※擁立状況は4月30日現在のものです。