マイナンバーカード 有効期限に注意!更新しないとどうなる?

マイナンバーカード 有効期限に注意! 社会

マイナンバーカード 有効期限に注意!更新しないとどうなる?(NHK 2025年2月14日 13時16分)

本人確認や保険証などにもなるマイナンバーカード。今では全人口の8割が持っているとされていますが、2025年から更新が必要な人たちが出始めます。また、この春からは、このカードを使った新たな行政サービスもいくつか始まります。マイナンバーカードの現状と注意点について、まとめてみました。

マイナンバーカードとは?

マイナンバーカードとは、住民票をもつすべての人に付与された12桁のマイナンバーが記載された顔写真付きのカードです。

本人確認用の身分証明書やオンライン上での行政サービスなどに利用でき、申請をすれば、無料で交付されます。取得するかどうかは任意です。

デジタル庁によりますと、2024年12月末時点で、全人口の77.1%が所有しているということです。

マイナンバーカードには有効期限がある?

はい。マイナンバーカードそのものの有効期限は10年です。

10回目の誕生日までに(未成年者の場合は5回目)、カード自体を更新する必要があります。改めて写真撮影なども行う必要があります。

ただ、発行から5回目の誕生日までにもカードに搭載された電子証明書を更新する必要があります。

どちらの更新時も、本人確認を厳密に行うため、原則、自治体の窓口などを訪れる必要があります。

更新しないとどうなる?

5年に一度の電子証明書の更新を行わなかった場合、オンラインでの手続きが行えなくなるほか、マイナ保険証の利用登録をしていた場合は、最終的に、保険証としても使えなくなります。

実際に医療機関などに取材すると、受診した際に有効期限切れに気付き、マイナ保険証が使えなかった患者もいるということです。

ただ、保険証としては、有効期限が切れても3か月間は使うことができるということです。

この3か月の間に更新されなかった場合は、各保険組合などから「資格確認書」が自動で交付されることになっているということです。

なぜ更新が必要?

国に取材すると、5年ごとに更新の期限を迎える電子証明書については「安全性を維持するため」としています。

電子証明書は暗号によるセキュリティ対策がされていますが、長く使い続けると、暗号を解読する技術も進歩するため、更新が必要だということです。

また、マイナンバーカード自体は、顔写真付きの身分証明書として容姿の変化に合わせて一定期間での更新が必要なため、10年と定められているということです。

また、未成年者は、成長による顔の変化が著しいと考えられることから、カード自体の有効期限も5年と短くなっています。

ただ、カードと電子証明書に異なる2つの有効期限が設定されていることについては手続きが煩雑だという声もあがっています。

国は現在、いまのマイナンバーカードに代わる新たなカードの検討を進めていますが、電子証明書の暗号をより強固なものに変えて、有効期限を10年にそろえる方向で検討しているということです。

有効期限のお知らせは来る?

マイナンバーカードの有効期限を迎える人には、数か月前に国と自治体が運営する団体から通知書が届くことになっています。

マイナンバーカードは2016年から交付が始まっているので、すでに更新が必要な人たちが多くいます。

国などの最新の試算によると、2024年度は、全国で更新が必要なマイナンバーカードは、▽カード自体が280万件、電子証明書が690万件に上っています。

そして、2025年度にはピークを迎え、全国であわせて2780万件に上ると試算されています。

これは2020年から取得促進のために行われていた「マイナポイント事業」の際にカードを作った人たちが多くいるからだということです。

マイナ保険証 どれくらい使われている?

マイナ保険証は、マイナンバーカードと健康保険証を一体化させたもので2024年12月2日から本格的な運用が始まりました。その利用率は25.42%となっています。(12月22日時点)

これまでの健康保険証は新規に発行されなくなりましたが、マイナ保険証を持たない人も今の健康保険証は最長で12月1日まで使用できます。

その後は、健康保険証と同じように使える「資格確認書」が健康保険組合などから交付されます。

資格確認書は、保険証の有効期限が切れる前に順次、自動的に交付され、そのための申請も必要はありません。

マイナンバーカード利活用 ほかには?

警察庁は3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証を一体化させた「マイナ免許証」の運用を開始することにしています。

今持っている従来の免許証が使えなくなるわけではなく、
▽従来の免許証をそのまま持つか、
▽「マイナ免許証」にするか、
▽または、両方を持つこともできます。

引っ越しや結婚で住所や氏名が変わった場合に、自治体だけで手続きを済ませられるようになるということです。

総務省消防庁は「マイナ保険証」を利用して、迅速な救急搬送につなげるシステムの導入を目指しています。

このシステムは、現場に到着した救急隊が患者の「マイナ保険証」を読み取り、通院歴や処方されている薬などの情報を把握するものです。

消防庁によりますと、2025年度から全国で実証事業を行うことにしています。

厚生労働省は、2025年春ごろにもマイナ保険証をスマートフォンに搭載して利用できるようにする方針です。

ただ、実際に利用するには、医療機関側が現在受付に設置している顔認証付きカードリーダーとは別の機器が必要で、国は、実証事業を行いながら浸透を図ることにしています。

専門家はどう見る?

いろんな分野で進むマイナンバーカードの利活用。私たちは、どう向き合えばいいのか。

自治体のデジタル化などに詳しい日本総合研究所の野村敦子主任研究員に聞きました。

野村敦子主任研究員

「マイナンバーカードはカード自体の普及が重要なのではなく、国民や行政職員にとって、よりよい行政サービスが生み出される基盤となることが一番重要なこと。例えば、あるサービスをマイナンバーカードでワンストップでできるようにしていく際に、自治体側はどういう手順が必要で、そこにはどういう障害があり、あるいは国民にとっても本当に利用しやすいサービスになっているかなど、目標に至るまでのプロセスを逐次点検しながら丁寧に進めていく必要がある」