日本維新の会・石井章参議院議員に「選挙の裏金500万円」支払い

日本維新の会・石井章参議院議員 政治・経済

日本維新の会・石井章参議院議員に「選挙の裏金500万円」支払い(FRIDAY 2022年08月12日)

茨城県元那珂市長が決意の告発! ’19年参院選で候補者に「コンサル料」「指南料」を要求 政治資金収支報告書には記載なし

「参院選に出馬した際、石井議員の秘書から選挙の『指南料』として500万円を用意してくれ、と要求された。100万円の帯封を5束、紙袋に入れてゲンナマで秘書にわたしました」

「もち」と「れんこん」を選挙区内の有権者にばらまいていたことを本誌が6月に報じた、日本維新の会・石井章参議院議員(65)に新たな疑惑が発覚した。何と今度は、地元の参院選候補者に対し「裏金」を要求していたというのだ。

冒頭のように告発するのは、’19年7月に行われた参院選に、日本維新の会の公認を得て茨城選挙区から立候補したA氏である。A氏は’19年の参院選に出馬する直前まで、茨城県那珂市の市長を2期務めていた人物。石井議員に支払った「裏金」について、A氏が続ける。

「維新の会からの公認を得た後の6月のことです。私の選挙を手伝っていた親族に石井の秘書から接触があり、『お金が必要だ』と。私も国政は初めてなので、こんなものなのか、と思ってしまった。石井の秘書からは、『請求書も領収書も出せない』『これは表に出せない金だから』と説明を受けました。選挙の『指南料』として支払った最初の500万円だけでなく、追加で300万円も要求された。さすがに出し渋ると、選挙カーを動かしてくれなくなるなど、選挙活動の支援を一切してくれなくなった。そこで追加のカネを払うと、再び選挙カーが動き出したんです」

多額のカネを石井議員側にわたしたA氏だが、それに見合うような”支援”は得られなかったという。結局、A氏は参院選で落選。A氏がカネの使途について秘書を問い詰めると、「応援演説の際のサクラ動員で使った」「捨て看板代」といった説明をされたという。A氏が憤る。

「地元・茨城で、石井への悪評はあまりに多い。そんな人物が、茨城維新の会の代表に就いていていいのか。今後の選挙で私と同じような目にあう候補者を出さないためにも、告発を決意しました」

当然のことながら、A氏からの「裏金」は石井議員の政治資金収支報告書には一切記載されていない。公職選挙法に詳しい神戸学院大学法学部教授の上脇博之氏が言う。

「政治資金規正法違反の可能性のほか、石井議員事務所の行動は、公職選挙法のいわゆる『買収資金交付要求行為』に当たる可能性もあります。仮に秘書の行動だと主張しても、石井議員の監督責任は問われてしかるべきでしょう」

はたして、候補者への裏金要求は事実なのか。石井議員の地元・取手市で本人を直撃した。

――’19年参院選の際、A氏から500万円を受け取ったのは事実か。

「私はまったく触れていないので」

――秘書が個人的にやったということか。

「私はわからない。Aさんに頼まれたんじゃないか」

――500万円は捨て看板や応援演説の際のサクラの動員に使ったのか。

「それは費用がかからないので関係ない」

――A氏は支払ったとはっきりと言っている。

「Aさんはね、私の大学の先輩なんですよ。そんな関係もあって、周りも忖度して手伝ってあげようというふうな面はあったのかもね。銭金のことは、はっきり言って自分でお金を持っている。お金がない人には、こっちで公選法に引っかからないようにやってあげてますから」

後日、石井事務所に質問書を送ると、「事実では御座いません」とした上で、次のような回答があった。

「当時石井章の私設秘書を務めていた者が、元那珂市長の男性のご弟様から、政治活動用看板制作と茨城県全域におけるその設置に関してご相談を受け、(中略)それらの作業費用として、(A氏の)ご弟様から当該元私設秘書が500万円を受け取っていることを確認致しました。(中略)収支報告書にその記載がないのは、石井章がそのような金銭を受け取っていないからとのご回答になります」

秘書がカネを受け取っていたことを認めながら、「自分は関係ない」とは……。

先の参院選では比例から維新の会トップ当選を果たした石井議員。票を投じた有権者は、この説明で納得するのだろうか。

『FRIDAY』2022年8月19・26日号より