自民党、やっぱり抜け穴だらけの “名ばかり” 政治改革…新設する「公開方法工夫支出」は “領収書非公開” “上限なし” のへんてこりん

石破首相は「上限額はございません」と回答 政治・経済

自民党、やっぱり抜け穴だらけの “名ばかり” 政治改革…新設する「公開方法工夫支出」は “領収書非公開” “上限なし” のへんてこりん(FLASH編集部 記事投稿日:2024.12.13 14:18 最終更新日:2024.12.13 14:18)

12月11日、衆議院予算委員会では、使途公開が不要のため “ブラックボックス” と批判されてきた「政策活動費」を廃止したうえで、新たに一部の支出を非公開とする「公開方法工夫支出」を盛り込んだ自民党の政治資金規正法再改正案について、野党側が厳しく追及する展開がみられた。

政治担当記者がこう話す。

「自民党は9日、それまで『要配慮支出』としていた名称を党内から誤解されやすいという声が出たため、『公開方法工夫支出』に変更しました。外交機密や個人のプライバシーなどに関わる支出の一部を非公開にするというものです」

11日の予算委員会で質問に立った立憲民主党の黒岩宇洋衆院議員が、この「公開方法工夫支出」に関する質問を切り出した。

「質問通告するときは『要配慮支出』だったのが、いざ質問になったら『公開方法工夫支出』という、なんかへんてこな名前になりましたけれども、そもそもわかりづらい言葉を使うときって、だいたいやましいんですよ」

そして、この支出の領収書は公開されるのかと聞くと、石破茂首相は、公開しない旨を答弁。さらに、上限額を聞かれた石破首相は「上限額はございません」と回答。議場からは「えー」という驚きの声がほうぼうからあがった。

「黒岩氏は『結局、使い放題になり、改正の改悪だ』と批判しましたが、石破氏は『きちんとした監査機関が公開方法を工夫する。ものすごく限定して(そういう支出を)出さないということを我々は提案しているのであって、それがなんで使い放題になるんですか。なんで今よりも悪くなるんですか』などと語気を強めて反論しました。

今後は、第三者による監査機関のあり方を含めて、まだまだ詰めていかなければならない点が多いという印象を残しました」(同)

しかし、自民党の派閥パーティー券をめぐる裏金問題や先の総選挙で非公認の候補者にこっそり2000万円を支給していた問題などを含め、自民党の「政治とカネ」に不信感を抱いている人は少なくない。

そのため、X上では、この「公開方法工夫支出」に対する疑念の声が出ている。

《また訳のわからん名前つけて誤魔化す気やで》

《「公開方法工夫支出」という名称からして国民を欺こうとする自民党の「悪意」を感じるわ》

《公開方法工夫支出 自民党は一体何に使いたいの そこがわからないと無駄な改革じゃないの》

今、国会議論されているのは、政治資金規正法再改正案。なぜ “再” がついているかというと、6月19日、岸田文雄政権下で、自民党の裏金事件をきっかけにした改正政治資金規正法が一度成立しているからだ。

しかし、この改正法は「抜け穴だらけ」「名ばかり改正」などと野党から批判があがっていたため、再改正法案が議論されている。

「6月に成立した改正法では、議員に収支報告書における『確認書』作成を義務づけ、議員が十分にチェックをしないまま不記載が発覚すれば、公民権停止処分となる仕組みが導入されました。

しかし、野党から『会計責任者の説明に問題があった』などと言い逃れができると抜け穴を指摘されたのです。

自民党は、パーティー券購入額の公開基準について、公明党案をしぶしぶ受け入れ、20万円超から5万円超に引き下げました。これについても『開催回数を増やし、1回の金額を下げれば、公開せずに購入してもらえる』と、野党から抜け穴を指摘されています。

また、今回廃止になった政策活動費については、10年後に領収書を公開するとしていましたが、収支報告書への不記載の時効は5年のため、罪に問えないなどとも批判されました。

つまり、改正法とうたいながら、まさに名ばかりの政治改革という疑念を拭うことができなかったわけです」(同)

11日の政治改革論争において、石破首相はこう答弁した。

「われわれの政治改革本部において、本当に侃々諤々(けんけんがくがく)、ほとんど土日も使って昼夜兼行で議論しておるところでございます。わが党はそんなにいい加減な党ではない」

石破首相は、その言葉どおりに、これまでの疑念を拭い去るような政治改革を成し遂げることができるのだろうか。

( SmartFLASH )