岸田政権また負担増、財源について「聞く耳」なし 今度は75歳以上の保険料増で〝高齢者イジメ〟 「財務省の言いなり」荻原博子氏(zakzak 2023.5/13 15:00)
75歳以上の公的医療保険料を2024年度から段階的に上げる健康保険法などの改正法が12日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。岸田文雄政権は、日本周辺の安全保障環境悪化に対峙する「防衛力強化」のため増税を決め、出生率を反転させる「次元の異なる少子化対策」の財源確保でさらなる負担増も検討する。物価高のなか、高齢者など庶民に負担増を強いる政策が続いている。
高齢化に伴う医療費増に対応するのが主な狙い。子供を産んだ人に給付する「出産育児一時金」の財源にも充当する。約4割が引き上げ対象者となる。
保険料の引き上げは、24年度は年金収入が年211万円超の人に限り、25年度に同153万円超に拡大する。収入に応じた負担を求め、例えば同200万円の場合、25年度に保険料が年3900円増える。
岸田政権は、昨年末の税制改正大綱で「防衛力強化」の財源として、「法人税・所得税・たばこ税の増税方針」を決めた。
「次元の異なる少子化対策」では3月末、児童手当拡充などを盛り込んだ対策の試案を策定したが、財源確保策は決まっておらず、社会保険料への上乗せが検討されている。原則として国民全員が入る医療保険が有力で、40歳以上が入る介護保険も加える案や、「消費税を排除しない。広く薄く社会で負担するのが基本だ」(経団連の十倉雅和会長)と消費税アップ案まで浮上している。
経済ジャーナリストの荻原博子氏は「負担増が当たり前みたいになっている。岸田首相は『財務省の言いなり』になっているのではないかという気すらする。財源をどうするかについては普通、いろいろな人の声を聞くものだが、まったく聞いていない印象だ。『聞く力』を掲げていた岸田首相が『聞く耳』すら持っていないのは、どういうことなのか。野党もしっかりと国民の怒りを政府にぶつけるべきだ」と話した。